「フラッシュバーン」 感想 エボラ原発メルト感染

概要

原題:Flashburn

製作:2017年アメリカ

発売:エクリプス

監督:ジョルジオ・セラフィー二

出演:ショーン・パトリック・フラナリー/キャメロン・リチャードソン/ニック・スティーブンソン


荒廃した世界のある廃墟の駐車場で、故障した車の中で目覚めた一人の男(ショーン・パトリック・フラナリー)。その男は記憶を無くしていた。しかし廃墟と思われていたその建物の中には、謎の研究施設があった。

研究施設に足を踏み入れたその男は、ラザラス、ダークゾーン、ジェノカル、そしてフラッシュバーンといった様々なワードを思い出す。と、同時に自分がウイルス学者で、今人類が滅亡の危機であることも思い出した。──そしてその研究施設を使い、自らの身体を使いウイルス実験を開始するのだが・・・。

(↑エクリプスHPより)


予告編

感想





エボラウイルス蔓延×原発メルトダウン

ダブル・クライシスが襲い来る!!



どっちも来ないんだな、これが…。

いや、確かに設定上はそういう災害が起こった後の世界ということになってはいるんですが、そこはただセリフで説明されるだけ。なのでエボラやメルトダウンが迫りくる緊迫度120%のアクションなぞ一切ございません。最近では「ブラック・クローラー 殺戮領域」に次ぐくらいの詐欺ジャケですな。



そもそもエクリプスが買い付けてくるくらいなので超極貧なインディーズっぽい作品であり、映像的には基本ショーン・パトリック・フラナリーが廃墟の中で右往左往しているだけ。ということは最低限承知のうえでレンタルした方が精神衛生上よろしいかと思います。



廃墟で目覚めた記憶喪失のウェス。ラザラスと名乗るが姿を見せない謎の女から、今人類は変異したエボラウイルスの脅威に晒されており、ウェスが人類を救おうとしている科学者であったことを知らされる。



前述の通り記憶喪失の主人公ウェスが廃墟の中を悩みながら右往左往し、そこにケリーと名乗る女がやってきたり、また別の時間軸なのか防護服を着たケリーが仲間と何かの活動を行っているシーンが平行に描かれたりと謎めいた展開に終始。ウイルスの脅威が映像で示されることはほとんどなく、せいぜい感染者の腕が変色する程度で大して切迫感はありません。原発や放射能の恐怖に至ってはほぼ皆無。ジャケ絵のような爆発シーンは一度もない。静かすぎるし色々もったいぶりまくりで正直眠くなってきます。



ただ、終盤からラストにかけて結構なツイストを仕込んでありました。そこに至るまでの経過は全部仕込みに過ぎなかったと。私はこの手のオチのために全てを犠牲にしているかのようなどんでん返し映画はあまり好きではないのですが、この規模の作品ならある程度のサプライズを提供してくれただけでもありがたいです。くそつまらないうえに何事もなくぬるっと終わる低予算映画を数多く観てきた身としてはね。逆に言うとそういう人間か、あるいはショーン・パトリック・フラナリーの熱狂的なファンでもなければ楽しみにくい作品かなとは思いますが。確実に言えるのはエクリプス配給作の中ではだいぶマシな方だったということです。詐欺ジャケはいただけないけど。

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