「アブダクション 忘れられた少女誘拐」 感想 恐怖のママ友グループ

概要

原題:Forgotten Abduction

製作:2020年アメリカ

配信:アマゾンプライムビデオ

監督:リンジー・ハートリー

出演:ブリー・ウィリアムソン/ヘザー・マコーム/ジェイソン・セルマク


アメリカのどっかの町でエミリーという3歳の女の子が誘拐される事件が発生。両親の必死の訴えも空しく、ついに見つかることはなかった。

数年後、カリーナの営む子ども洋品店に小さな女の子マリーを連れたシングルマザーのリナがやってくる。彼女たちは交流を深めていくが、リナはマリーを人目に晒すことを極度に嫌がっており、それを見たカリーナはある疑念を抱いていく。


予告編

感想









…ということでさっそく観てみました。

これは確かに厳しい戦い。

尺は1時間半もない作品なのに観終わるまでに3時間以上かかりましたからね。息継ぎをするように休み休みじゃないと観ていられなかったのです。



とはいえ、映像とか劇伴とか演出的には全然クソ映画の類ではなく、普通にテレビでやってるサスペンス劇場ぐらいのクオリティはあります。なので、サラッと観られる人も普通にいらっしゃるかとは思います。



導入部のあらすじは上に書いた通りですが、要約すると「あの奥さんの娘さんって何年か前に誘拐された子なんじゃないの?」という疑惑を追及していくサスペンスです。


と言っても正直なところ私が主人公カリーナの立場だったら「ちょっと怪しいけど、まあ別にいいか」で済ませてしまいそうな程度の疑惑なんですよね。カリーナの夫はことあるごとに彼女をなだめようとしますが、私もそっち側の人間かなと。何であんなに他人の領域にズケズケと踏み込んでいけるのでしょうか。というかカリーナが必死すぎてマリーを奪い取りたいようにも見えてくるから困る。



とはいえ当然マリーはさらわれてきた子供なのは分かり切っているので、サスペンス的には特に何の意外性もありません。犯人も主人公も相当頭悪いし色々と雑です。しかしそんなことより、私的にはアメリカの小規模コミュニティにおけるママ友グループの陰湿さが印象に残ってしまいした。



リナがママ友グループを使って色々画策するくだりも結構アレですし、カリーナがレストランとか喫茶店で人と会っていると、必ず「ヌッ」と現われる町内のボスママがスゲエ怖いんですよ。特に、面識も何もないはずのカリーナの友人をちょろっと見ただけでその日のうちに住所まで突き止めてリナにチクるシーンとかもうね。そこらへんの私立探偵が裸足で逃げ出すレベル。



もともとヒマを持て余した奥様向けに作られたテレビ映画のせいか、色々とずさんな犯罪がらみの描写よりもそのママ友グループの方が圧倒的にリアルに感じられ、恐ろしいです。まるで最盛期の発言小町を見ているかのようでした(知らんけど)。世の女性は母親になったらあんなコミュニティに所属しなければいけないのか…と思うと実に気の毒にさえ感じましたね。


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