「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」 感想 サメ出た?

概要

原題:HORIZON LINE

製作:2020年スウェーデン

発売:ギャガ

監督:ミカエル・マルシメーン

出演:アリソン・ウィリアムズ/アレクサンダー・ドレイマン/キース・デヴィッド/パール・マッキー/プリヴィルジュ・マンゲジ


南の孤島で行われる友人の結婚式のため、軽飛行機に乗ったサラ。だが、そこには偶然にも元カレも乗り合わせていた。少々きまずい空気の中、それでも空の旅を楽しんでいた。しかしパイロットが心臓発作を起こしていきなり死んでしまう。


予告編

感想







映画ファンをバカにした邦題で一部で大ヒンシュクを買った問題作。



それも当初は「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」だったのがなんか紆余曲折あって今の題になったとか。「セスナ」が商標登録に引っかかったため、と聞きましたが。どっちみちアホな邦題にすることは確定事項だったらしい。



こういう身も蓋もないタイトルってライトノベルから始まってると思うんだけど、まさか映画界まで浸食されてしまうとは思いませんでしたよ。くれぐれもこれ以上の濫用は控えてもらいたいものです。どうもこういうのは「野望の王国」のあのシーンを思い出してしまっていけない。



(↑野望の王国完全版5巻65P)




「ふ いくらおれたちのつけた邦題とはいえ見ていて恥ずかしくなってくる」


「仕方ないさ 一般大衆なんてこれくらいどぎつい邦題をつけてやらなきゃカネを払ってまで観てくれないんだから」


「そうだ…必要なのは一般大衆のカネなんだ 大衆にカネを出させるためには大衆と同じ愚劣さのレベルまで下りて行ってやらなければならないんだ」




ギャガの社員たちはこんな会話を繰り広げているに違いない…。

完全になめてやがるぜ。

そう思うと腹が立って夜しか眠れません!


まあ、私がどぎつい映画ばかり好んで観ている愚劣な一般大衆であることは否定しませんがね。




それはそうと、中身の方は至って真っ当に楽しめる良いパニック映画でした。


空で遭難すると見せかけて実はそうでもなかった「スカイハンガー」で溜まったフラストレーションがちょうどよく解消されました。



ストーリーはあってないような薄さで、飛行中にパイロットを失ったカップルがひたすら何とかして生き延びようとあがき続けるアトラクション的な内容。これが高所恐怖症持ちにはかなり効く。股間がヒュンとするほどスリリングな場面がいくらかありました。これは絶対に映画館で観ておくべき作品だったなあ。地元でやってなかったから仕方ないけども。




以下少しネタバレ




なので、軽飛行機に乗ってあたふたしている間は非常に楽しめたのですが、終盤で海に落ちてからの展開はさすがにちょっと雑に処理しすぎではないかと。なんであのタイミングで船が来るんだ。それより、あそこはどう考えてもサメが襲ってくるべき場面ですよね。ジャクソンは腕から出血してたし、それをかぎつけたサメが思わせぶりにチラリと映った時は「まさかここから本格的サメ映画になるのか!?そういえばロスト・バケーションの製作陣だしあり得るかも!?」と興奮してしまったではないですか。襲ってこないなら変に期待させないでくださいよ、もう。


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