「デンジャラス・ベスティ 危険な再会」 感想 柔らかな警察

概要

原題:Nightmare Best Friend/Sisters in Crime

製作:2018年アメリカ

配信:アマゾンプライムビデオ

監督:ジョン・マーロウスキー

出演:ロスリン・ルーク/ジャッキー・ムーア/ブランドン・ハウウェル/チャド・マイケル・コリンズ/ジャストン・ストリート


ビルの管理人をやっているケイティの元に、かつての親友ジナが訪ねてくる。旧交を温める2人だったが、ジナには後ろ暗い目的があった。ジナの彼氏レイが、ケイティの勤め先のビルで強盗殺人を働いた証拠の銃を落としてしまい、回収するためにケイティを使おうと考えていたのだ。


予告編がないのでサムネ用に適当なタイトル画像を作りました。



感想




「ザ・テスト 護身術」などでおなじみジョン・マーロウスキー監督の新作テレビ映画。


彼は「何をやらかすかわからない」という点で(主に私の中で)定評のある凄腕職人テレビ映画監督ですが、本作は確かにツッコミどころ満載ではあるものの、残念ながら比較的小奇麗にまとまってしまっており若干肩透かし気味なクオリティでした。



導入部のあらすじは上に記した通りですが、本作の悪党であるレイの目的は「強盗殺人の現場にうっかり落としちゃった拳銃を主人公ケイティに回収させる」ことだけ。実にマヌケでしょうもなくてスケールの小さいサスペンス・スリラーだな~と。いやサスペンスですらないかも。



しかし強盗殺人が発覚した時点で現場のビルは当然封鎖されるだろうし、いかにケイティが管理人とはいえ回収は不可能であるとしか思えない。が、レイはなぜか警察の現場検証が翌日の正午からと決めてかかっており、それまでなら何とかなるという前提で話が進みます。もう手遅れだと思うし他にも色々ひっかかるところはあるものの、それでもジョン・マーロウスキー監督にしては大人しすぎる展開。



一応、それだけではなくタイトルがデンジャラス・ベスティ(※ベスティ=親友の意)ってことでそんなマヌケな悪党を連れてきやがった元親友であるジナとケイティの微妙な友情ドラマ的な側面もあるにはあります。



ただ、ケイティはレイの素性を知ってしまっているわけで、証拠の拳銃を回収しても当然その後は始末される以外あり得ないんですよ。まーでもケイティは人質取られてるから仕方ないね、ジナは元親友だけど鬼だね、なんて思いながら観ていたわけですが、いざレイがそれを口にするとジナは「そんな!?私の親友を殺すなんてとんでもない!!」とばかりにケイティ側に寝返ってしまう。お前は一体何を考えていたのかと。逆に殺さずにどうするつもりだったのか小一時間問い詰めたい。



…いや、まあそれくらいなら別にいいんですけどね。

しかし、クライマックスはさすがに大問題です。レイの弟が人質(ケイティの家族)に銃を向けながら警察と対峙している場面。そこにケイティとジナが血相を変えて走って来るのですが、警察から見ればどこの誰とも知れない女二人組がいきなり「うちらに説得させろ!!」と割り込んできたのに「30秒だけだぞ!!」って…

警察がそんな柔軟な対応することってある? 




とまあそんな感じで、ちょっとマヌケで、ゆるくて、ショボくて、可愛げのある小粋なサスペンステレビ映画でした。今ならアマプラ無料配信中なので気怠い午後のヒマつぶしにでもいかがでしょうか。

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