「悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ」 感想 スタイリッシュであっさり風味

概要

原題:Texas Chainsaw Massacre

製作:2022年アメリカ

配信:ネットフリックス

監督:デヴィッド・ブルー・ガルシア

出演:サラ・ヤーキン/エルシー・フィッシャー/マイク・バーナム/ジェイコブ・ラティモア/ネル・ハドソン/オルウェン・フエレ/アリス・クリーグ/ウィリアム・ホープ


テキサスのゴーストタウンで新しいビジネスを始めようと乗り込んできた若者たち。

だが、そこには40年前にチェーンソー大虐殺を起こしたレザーフェイスが棲んでいた。


予告編

感想



「悪魔のいけにえ」シリーズ9作目。

ネットフリックス独占配信だけど、劇場でやってほしかったなあ。



2~8作目を全部無視して1作目の約40年後という設定、1作目で生き延びたサリーが復讐心を抱いて打倒レザーフェイスを企む狂気のババアと化している等、2018年版「ハロウィン」とかなり似通った内容。



ただ、ローリーだったらまだ打倒マイケルに執念を燃やすのも分からんでもないけど、サリーはもう絶対そんなことしないで二度とテキサスには近寄らないと思うんですよね。友人たちの復讐だと言われてもあんたらそんなに仲良かったっけ?って感じだし、少なくとも初代のレザーフェイスはそんなチンケな動機で立ち向かえる存在ではない。だからそこは安易にハロウィンをパクらない方が良かったなと。



もう9作目で今さら言うまでもないことですが、1作目の奇跡的な出来は偶然の産物です。なので本作も別にああいうのを目指してはおらず、単にレザーフェイスを主役にしただけの普通のスラッシャー映画になってました。狂気も禍々しさも陰湿さも何も感じられないし、むしろスッキリとオシャレでスタイリッシュな趣きすらある。あえて逆を狙ったのかと思うほどに。



ゴア描写はかなり派手だけど、別に全然気分悪くならないし、何ならご飯食べながら観ても問題ないレベル。エンドクレジットとかなんであんなクールなノリにしたんだろうか。カッコイイけど似つかわしくないんです。ハイテクなボットン便所みたいな違和感とでも言えばいいのか。レザーフェイスが獲物を吊るすシーンも無いし、1作目が好きな人ほど「こんなの悪魔のいけにえじゃねえ!!」とか言いそう。



…まあそれもそうなんですが、初代のことは忘れて「ただのスラッシャー映画」として観ればとても出来が良く楽しめる作品になってたと思います。初っ端から保安官の腕をぶち折ってその骨を喉に突き刺す、なんて少し捻った殺り方が出ますが、全体的にそんな感じで「より良い殺り方」を見せようという姿勢があり好感が持てましたね。チェーンソーでのキルカウント数もおそらく過去最高記録。なかなか濃密なチェーンソーマサカーっぷりで地獄のような血の海を展開してくれるのがうれしい。被害者側にも非はあるのに、みんなひと思いにさっくり殺してくれる。過去作にあったような吊るして傷口に塩を擦り込むようなネットリした拷問なども全くありません。何の不快感もなく、胸焼けもせずに清涼感のある殺戮タイムを味わえました。


あんまり記憶には残らないと思うけど、これはこれで良い作品だと思います。

コメント