概要
原題：Mainstream
製作：2021年アメリカ
発売：ハピネットファントム・スタジオ
監督：ジア・コッポラ
出演：アンドリュー・ガーフィールド/マヤ・ホーク/ナット・ウルフ
マジックバーで働くフランキーは、ある日妙な話術とカリスマ性を持つ青年リンクと出会い、動画配信を始める。友人で作家のジェイクを仲間に加え、瞬く間に人気Youtuberとなっていく３人だったが、より過激さを求めて暴走するリンクが大問題を起こしてしまう。
予告編
感想
これまたyoutuberの世界を描いたサイコスリラー。
近年本当に多いですね。まあスリラーっていうほどのヤマも恐怖もないので、SNS社会を皮肉った青春ドラマと言った方がいいかもしれませんが、特に意外性もなくそのままサラリと終わってしまうのでかなり薄味に感じました。
ちょっと変わった青年リンクがyoutuberとして成功し、祭り上げられていくうちにとんでもないサイコ野郎になっていく…のか、それとも元々そういう本性を秘めていたのか。どっちにせよ、本作は「腐れインフルエンサーを崇めてしまう視聴者の危うさ」を皮肉っているようです。
零細youtuberだったフランキーがリンクを見出し、スマホ一つで成り上がっていく過程はそれなりに現代的に映るものの、いざインフルエンサーと呼ばれる地位になってしまうとテレビタレントと何が違うのかよくわからない。全裸に近い恰好で街をうろつき、警察に捕まる迷惑アホ芸人からバラエティの司会者へ。媒体がテレビからyoutubeになっただけで全く目新しさがありません。いや、むしろ懐かしさすら漂います。規制ばかりでつまらなくなっていったテレビより、何でもありの過激な企画を大衆は求めているのか。その割には一線を超えると炎上しちゃうし、本当に面倒くせえ世界だなと。
リンクを演じるアンドリュー・ガーフィールドの気迫は相当なものがあり、この人のパワーだけで本作が成立している感すらあります。中でも特に、集まったインフルエンサーたちの目の前で突然ズボンを下ろして脱糞してウンコを握ってオラつく場面は圧巻でした。迷惑系youtuberと呼ばれる人たちでもこれほどの蛮行に至れる猛者が一体何人いることか（やってほしいわけではない）。…と言っても、ゴムで出来た偽のウンコだったので少しガッカリしましたけどね。そこは本物ということにしておいた方がより狂気が際立って良かったのでは…いや、良くないか。
動画撮影シーン以外でもyoutubeっぽい演出が散見され、フランキーがゲロを吐くシーンで吐しゃ物をそのまま映すのではなく何かキラキラした効果を付けているなど、本筋が薄味なせいかそんなしょうもないところばかりが印象に残ります。フランキー役の人がユマ・サーマンの娘と知って驚きましたが、そんな美男美女を揃えておいてウンコとゲロが見所っていうのはいかがなものか。でも、それがyoutuberという存在の本質なのかなと思いました（適当）
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