「デストイレ」 感想 偽ベトナム帰還兵 vs 悪魔トイレ

概要

原題:Death Toilet

製作:2018年アメリカ

配信:コンマビジョン

監督:エヴァン・ジェイコブス

出演:マイク・ハーツフィールド/アイザック・ゴルビッチ/ミヒャエル・J・フォーゲルザンク


泥沼の戦いとなったベトナム戦争のさなか、第一歩兵師団に従軍していたブレットのもとに弟がトイレで変死したという訃報が舞い込む。終戦後、失意のままに母国へと帰ったブレットは、弟の死の真相を知るべく彼が遺した家の調査を始める。ブレットはトイレに狂暴な悪魔がとりついてることを知り、ディングルベリー神父に悪魔祓いを依頼。人を嘲笑い、火を噴き、そして激しく爆発する悪魔トイレを相手にした史上初の"トイレ・エクソシズム" が始まろうとしていた…!


(↑コンマビジョン公式HPより)

予告編

感想







コンマビジョンのエイプリルフールネタかと思ったら本当に配信が始まって驚愕した超ZZZ級トイレ系ホームビデオ。どうでもいいけどアマゾンで検索しても強制的に「デオトイレ」にされるのでちょっとめんどい。「デストイレ」なんてふざけた商品があるわけねえだろ?とアマゾンに言われている感。



(↑参考:デオトイレ)


AVJサメデターですら応援企画だのグッズだのDVDだのを発売しているのに、本作は配信のみで済まされているところを見るとそれらをさらに下回る破滅的事故物件なのではないか!?と期待に胸を膨らませて鑑賞しました。



中身は確かに「これ以下の映像作品を見つける方が難しい」と歴戦のクソ映画ハンターをもうならせる極上のヘボ・クオリティ。


便器からヌッと現れ、野郎のケツにシャキィンと切りかかる包丁のくだらなさ。この発想は便器の中からサメが喰らいついてきた「ハウス・シャーク」に近いものがありますが、あれよりも圧倒的にショボイ。下には下があるもんだ。



なぜかベトナム帰りといういらん設定を持った主人公ブレットのボンクラ臭もすさまじいです。わざとらしいぐらいに濃い軍人ファッションに身を包んでいるが何をどう見ても軍人とは無縁どころか対極的なヘナチョコ野郎のオーラしか感じられません。あと無精ヒゲがめちゃくちゃ見苦しいのでとっとと剃って欲しくなる。せっかく中盤でヒゲを剃ろうとしてくれてたのにデストイレに邪魔されて中断したところが一番イラッとするシーンです。用も足せないしヒゲも剃れないから全然スッキリできん!



さらに、特に意味もなくサイを振り回しながらカッコつけて謎ポーズをキメるシーンが満塁ホームラン級のインパクト。あれはただごとじゃない。私がこれまで見た中でも1,2を争うほどのドギツいボンクラ臭。あんなバカそうそうお目にかかれませんよ。真剣に彼の頭が心配になってくる映像です。しかも無駄に長いし。その後サイなんて一切使わないし。一体何なんだ。


 

で、トイレからウゥ…アァ…ウゥ…アァ…とうめき声が聞こえるので神父に便器悪魔祓い(トイレ・エクソシズム)を依頼。実に腐れ脳みそとしか言いようのない馬鹿な展開ですが、ここで神父が至極常識的な反応をしてくるのがちょっとだけ笑えます。



「悪魔はトイレに憑りつかない。

現実を見ましょう!」


「絶対にありえませんよ。

悪魔トイレなんて!」


当たり前のことを言ってるだけなのにこのパワーワード感…

しかも怒りのあまり言い間違えまで発生。


「私は神父だ

トレイの修理などしない!」


字幕翻訳者がわざとやったのかどうかが気になるところです。


しかしこの神父、いざトイレから悪魔が現れると(合成感丸出しの爆発だけだが)

一転して急にノリノリでトイレ・エクソシズムとやらに興じてくれます。



主人公ブレット役の人は目を覆わんばかりの悲惨な演技力ですが、この神父だけは並々ならぬ役者根性を持ち合わせているようで、単なるトイレの前で延々と「全知全能の主よ!光あれ!悪魔よ!トイレから去れ!」などと意味不明な供述を吠えまくって神やら視聴者やらを全力でコケにしており、非常に好感が持てます。こういうクソ映画では中途半端にふざけちゃいけないんですよ。どうせやるなら全身全霊でやるべきなのです。



内容的にも視覚的にも超絶ボンクラなだけでなく音の方も過去に前例がないくらいひどすぎる。幼児がテキトーに鳴らしているような気の抜けるテーマ曲が頻繁に流れ、特に意味もなくタイミングもクソもなく無造作にブーブー屁の音が鳴りまくる。クソ映画にもほどがある!…どうでもいいけどアメリカ人ってオナラ大好きですよね。テスラがクラクションを屁の音にしたらリアルすぎて警告にならなくてリコールされた、なんてこともあったし。



さらに、尺がわずか54分しかないのに途中休憩まで入ります。こんなクソ映画を見てたらクソを催すだろうから行ってこいということなのか。休憩中はベトナム戦争の記録映像っぽいものに屁の音がかぶせてあり、冒涜もいいところ。こんなのランボーに見られたらミンチにされそうです。


あまりの不快さに心配になったのか、たびたびネコの映像がサブリミナル的に差し挟まれます。いくら可愛いネコとはいえそんな程度ではとても中和しきれていませんが。最近のクソ映画はネコで媚びを売ろうとするのが増えたなあ…



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