概要
原題:Stressed to Death
製作:2019年アメリカ
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:ジャレッド・コーン
出演:ジーナ・ホールデン/テイラー・ブラックウェル/サラ・アルドリッチ
救命士のマギーは強盗事件に遭遇。妊婦と中年男性、助けられるのはどちらか一人だけという選択を迫られる。妊婦を救ったマギーは男性を見殺しにしたトラウマから救命士を引退。それから10年後、その男性の妻がマギーへの復讐計画を実行に移そうとしていた…
予告編
感想
クソ映画界隈ではおなじみジャレッド・コーン監督の新作テレビ映画。
とはいえこれもコーン監督らしからぬシリアスさ。まあ彼も時には真面目に作ってくれと依頼されることもあるのでしょう。
しかし表面的にはいくらシリアスでも、内容はうれしいぐらいツッコミどころ満載です。
主人公のマギーは救命士で、ある晩通報を受けてコンビニへ急行するのですが、そこで強盗犯が人質を取って立てこもっている状況に遭遇します。すでにパトカーも到着しており警官が取り囲んでいる。なのに、なぜかマギーは警官たちをさしおいて一人でズカズカと店内へ入ってしまう。いやいや、それはマズイだろ?と同僚にも止められますが、マギーは「放っとけない」の一言で単独強行突入。警官も止めてやりなさいよ…
店内で傷を負った妊婦と中年男性を発見するも、強盗に「どちらか一人だけ助けさせてやる」と言われ、マギーは仕方なく妊婦をチョイス。これが元で見殺しにした男の奥さんに恨まれ、10年後に復讐されることになってしまいます。…でも、この時中年男性の方も「自分ではなく妊婦を助けろ」ってちゃんと意思表示してるんですよね。そんな英雄的死に様だったならば奥さんには当然しっかり伝えておくべきなのに、なぜか何も知らせないまま放置されていた模様。
マギーは何も悪くない体で話は進んでいきますが、勝手に突入して人質を死なせ、事件の詳細を伝えずにいたわけなので大体マギーが悪いのではないかと思えます。復讐を仕掛けた奥さんの方もそんなことで人生を台無しにしたのでなおさらは罪深い。その復讐計画もわざわざ元軍人の殺し屋を2人雇って何やかんやするのですがやけにポンコツで手際が悪く、ヘマばかり。しかしマギー側も負けず劣らずのオタンチンぶりで実にまどろっこしい戦いを楽しめます。
でも、それぐらいがかえってリアルなのかもしれま……いや、ないか。上辺はシリアス風味で地味な作品ですが、ちょっとここには書ききれないほど無数のツッコミどころに溢れています。どてっ腹を撃ち抜かれた夫の患部にガーゼを当てただけで「もう大丈夫よ」と断言して立ち去るマギーとか、人質の管理が異様に杜撰な殺し屋とか、相当アレ。クソ映画マニア的な人ならこういうテキトーさがかえって楽しめるのではないかと思います。
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