「サイド・エフェクト 蘇る記憶」 感想 蘇りすぎて大混乱

概要

原題:The Scopia Effect

製作:2014年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:クリストファー・バトラー

出演:ジョアンナ・イグナチェウスカ/ルイス・ラボヴィッチ/アキラ・コイエヤマ/モーガン・アッカーマン/イザベラ・ノワコフスカ


母親が亡くなり、精神を病んだバーシャはカウンセリングを受けていた。瞑想によって過去の記憶を辿る中、母親との記憶だけでなく前世の記憶まで体験してしまう。1824年の日本、1712年のフランス、1953年のアフリカ、あるいはインド、ドイツなど様々な時代・国でそれぞれ悲惨な死を遂げた記憶を味わい、バーシャの精神は蝕まれていく…


予告編

感想





※注:内容を全然理解できなかったので、役に立つ考察とか解説とかそんなのはここには全く何も書いておりません。ただの感想です。検索で来られた方はご了承ください。



2014年のイギリス製ホラー。


年齢退行催眠療法を受ける若い女性バーシャが、退行しすぎて様々な前世の記憶まで思い出してしまう。しかし、どの前世も悲惨な死を遂げた記憶ばかりでよけいひどく精神を病んでいく…といったスピリチュアル系ストーリー。


前世の記憶がフラッシュバックして悩む話はそれほど珍しいものではないのですが、本作はその種類があまりにも多すぎて異常です。バーシャの前世を列挙してみると


(1)1953年アフリカ

…病院のベッドで死にかけている中年女性。


(2)1824年日本

…10歳くらいの娘に毛虫の話をしている男。


(3)1641年インド

…あまり望ましくない結婚を強いられた女性。


(4)1916年ドイツ

…ガスマスクの兵士に撃たれる男。


(5)1712年フランス

…サイコ野郎から逃げる少年。


(6)忘れた

…納屋で兄貴にボコられる弟。

こっちがフランスだったかもしれん。



なんとバーシャは6つもの前世をバラバラ細切れに思い出しながら幻覚に悩んだりするのです。その幻覚はパソコンを見てたら急に汚い男が飛んで来るといったエキセントリックな描写で、確かに怖いと言えば怖い。バーシャがヨダレや鼻水を垂らしながら叫んでも無理はないほどの恐ろしさはあります。



ただ、前世の記憶だけでなくバーシャが苦しむ様子も冷徹に客観的に映し出しており、感情移入も何もできない作り。そのバーシャ編+6つの前世編で合わせて7つものストーリーが非常に細切れに進行していくのを追うのは非常につらい。しかもそれぞれ時系列すら前後させている風でもあり、よけいにわけがわからなくなります。



これにはバーシャ自身も


「助けて!わけが分からないの!どうしたらいいの!」


と精神病院のベッドで叫ぶしかありませんが、それを見ている私も全く同じ気分です。

しかし共感は出来ても感情移入はできない。



細切れになったそれぞれのピースを頭の中で精密に組み立てられる人でなければ本作を楽しむことは不可能ではないかと思います。



私はまず「何も考えずに表面だけ観ていてもある程度は楽しめる映画」じゃないとそういったパズルに挑戦しようとすら思えないので全然集中できず、オチまで観ても結局なんで6つもの前世を見せる必要があったのか分からずじまいでした。



江戸時代の日本の描写はそこそこちゃんとしており、日本語もしっかり話せる俳優さんが何人も出ていたので低予算とはいえとても真面目に作られた作品だとは思うんですけどね。



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