概要
原題:Main Street Meats
製作:2017年アメリカ
配信:Green Light
監督:ジェフ・ライアン
出演:モーガン・ボーランド/スティーブ・ゴラ/ステイシー・ウェバー/ドン・マーカス/ケニー・ファイヤス/グレイソン・ハンター・ゴス/アシュリー・サマー
チェリーはラスベガスへ向かう途中、車が脱輪して故障してしまう。そこはモーテルすらない田舎町で、チェリーは仕方なく潰れかけの精肉店に滞在することに。だが、その精肉店では密かに”人肉”を取り扱い始め、思わぬ人気商品となりつつあった。
予告編
感想
潰れかけの肉屋がヤケクソで人肉を売り始めたところ大人気商品になってしまうというブラックコメディ。
設定や筋は「地獄のモーテル」に似ているなあと思いながら観ていましたが、それよりはハーシェル・ゴードン・ルイス作品をリスペクトしているようです。舞台や空気感は60年代風で、内容自体はこのうえなくおぞましいはずなのに全く恐怖感も何もなく、むしろほのぼのした明るく牧歌的な雰囲気は確かにH・G・ルイスっぽいかなと。新しさやオリジナリティはあまり感じられず、懐古趣味で作られた作品のように思えます。
本作の主人公はおそらく問題の肉屋に滞在することになるよそ者のチェリーであると考えられますが、この人異様に鈍くてラスト15分くらいになるまで全く異変に気付いてくれません。肉屋のバカ三兄弟が日々人を殺しまくって店に持ち込んで加工しようが何をしようが全然怪しむこともなく能天気に田舎ライフを満喫しています。本作の尺は1時間50分とこの手の低予算映画としては異様に長く、その間これといってスリリングなことなど何も起きずにサイコな肉屋とその周囲の人たちのちょっとおかしな日常をのんびりゆっくり描写していきます。
この至極まったりした展開をツライと感じる人も普通にいるとは思いますが、本作はあのワイルドアイ・リリーシング印の低予算作品であり、それを考慮するとむしろかなり良く出来ている方ではないかと思います。いや、ワイルドアイが製作しているのかただの配給なのか全然分かりませんが、この会社のロゴが出た時点でクソ映画マニアは歯を食いしばり覚悟を決めるものなのです。なんせ「サメデター」や「シン・感染恐竜」級の意味不明な毒電波攻撃が飛んできてもおかしくないわけですから、それを思えば本作など軽い静電気程度の感触でしかありません。話の内容や製作者の意図が理解可能というだけでもすごくうれしい。ありがたい。ということでワイルドアイやitnでこのレベルなら大当たりと言っても良いのではないでしょうか。別にクソ映画ではありませんが、クソ映画マニアは心置きなく440円払って鑑賞してみてもよろしいかと思います。
コメント
(※最後、チェリーはどうなるのか?見てみたかったなぁ。)
>2023年7月16日 13:51の匿名さん
これを観たのが1年前なので最後どうなったのか覚えてないんですが、そんな気になるようなオチでしたっけか。まあゆるい雰囲気の作品だし普通に日常へ回帰したのではないでしょうか。