「ターミネーション」 感想 一貫性のない状況だけを羅列

概要

原題:TERMINATION

製作:2019年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョン・カーリン/ダニエル・ホリデー/アンドリュー・ヤクシュ/フランシスコ・ガルシア・マテオス/フィリップ・マッキー/スコット・ロブソン

出演:アントニー・アチェンポン/フィリップ・クリスチャン・クラーセン/ニコラス・クベリ

/シニード・カリー/トム・ファラー


船長チャーリー率いる宇宙飛行士たちが、火星軌道上にある宇宙ステーション”ZRS”に着任する。到着して182日目、地上に設置されていたRS1からの通信が途絶え、状況の確認のため地上に降り立つチャーリーだったが、RS1は破壊されており、通信機の故障によりZRSとの連絡も取れなくなってしまう。途方に暮れたチャーリーが火星を彷徨い歩き続けると、突然復活した通信機から、ZRS内にいるランサムの声で、仲間ルイスの無事を尋ねる声が届く。頭に響く謎の声に苦しみながらも、我に返ったチャーリーが付近を見渡すと、目の前には血を流して地面に横たわるルイスの姿が。次の瞬間、チャーリーの身体はZRSの船内の中で拘束されていて…。異なる5つの世界で巻き起こる不可解な現象を綴るSFホラー!

(↑アマゾン商品紹介より)


予告編


感想





グオォ…

くっっっそつまらんぞ…

あまりの面白くなさに体調不良に陥ってしまう…

頭がおかしくなってしまう…!



ただ、私もこれまでの経験からそれなりに発達した嗅覚を持っているので、この作品が途方もなくやばいスメルを発していることには気づいていました。いくらクソ映画マニアとはいえ何でもいいわけではないのです。なので存在には気づきつつもスルーしようと思っていたのですが、





このように言われては鑑賞するしかない。私ごときの感想を聞きたいという方のリクエストを無碍にするわけにはいきません。

どれほど高威力の地雷であろうとも逃げる選択はしたくないのです。



…で、内容ですが、全5章の短編がプロローグとエピローグに挟まれる形のオムニバス作品となっています。章ごとに監督も脚本家も、何なら製作者も全部違う。配信サイトの作品説明を見ると「ストーリーは一貫性がなく、状況だけを切り取ったサイバーパンクな物語が羅列されていく」とはっきり書かれており、本当に何の一貫性もないので、単品では売りようがないアマチュアの短編映画を単なる抱き合わせセットにしただけではないかと考えられます。



それぞれの話は一貫性がないだけではなく「状況だけを切り取った」と言われるだけあって起承転結みたいなものはほぼ読み取れず、大体何をやってるのか、何をしたいのかもさっぱりわかりません。



例えば第1章の「リアリティーなき災害」と題された話では、ヘルメットを被った女性がどっかで行き倒れてヒゲのおじさんに助けられるのですが、


「助けてくれてありがとう

でも、時間がないの

私の目的は……」


と身の上話をしてくれそうなところで、

ヒゲのおじさんが


「把握している」


と冷たく遮ってうやむやにしてくれます。

いや、お前は把握してるのかもしれんが視聴者は全く何の話か分からないんだからしゃべらせろよ!

把握してるんだったらお前がそれを教えろよ!

このクソダボが!!と言いたい。


その後はその把握されている女性がなんか拷問っぽいことをされて


「一人では生きられない

それでこそ人間と言えるだろう

(中略)

赤褐色のほこりに囲まれて

私の魂が闘っている」


とか何とかスカしたモノローグをダラダラ語って終了ですよ。

いやーきついっす。



第2章「スペーストレイン」はどっかよその星の列車の一室で男女3人が何やらすったもんだしてましたが、「到着まで**時間」とカウントダウンされるのはいいけど、何者がどこへ何しに向かっているのか何一つわからんのです。見る拷問も同然の仕打ちに失神寸前です。



第3章「オーバーライド」は日本が舞台で登場人物も日本人という本作の中では異彩を放つ章となっています。サイケなコスに身を包んだ若い女性が、何やら人工知能らしき存在に身を預けて追っ手と戦う…みたいな雰囲気。ショボイながらも格闘アクションが盛り込まれており、まあ他のやつに比べればまだやりたいことはわからんでもないのですが、逆に言えばただやりたいことをやっているだけなので「だから何なの…?」としか言いようがない。



第4章以降はほぼ意識を失っていたのであれですが、宇宙船の中で頭がおかしくなった男が人を喰い殺したりしていたのでSFホラーのような雰囲気になっていました。どいつもこいつもただやりたいことを断片的にやっただけでそれを繋ぎ合わせられてもひたすら支離滅裂なものにしか見えず、それをごまかすために芸術っぽくして「分かる人には分かるよ」みたいな空気を出してるだけなんじゃないかなと思いました。



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