概要
原題:Endangered Species
製作:2021ケニア・アメリカ
配給:クロックワークス
監督:M・J・バセット
出演:フィリップ・ウィンチェスター/レベッカ・ローミン/ジェリー・オコンネル/イザベル・バセット
休暇でケニアへ遊びにやって来たジャックとその家族。だが、ジャックはエクソンモービルをクビになったことを隠しており、護衛もつけずゲートを突破してサバンナを勝手に探検することに。「自力で行ってこそ最高の冒険だ」…とうそぶくジャックだったが、案の定サイに襲われて車を破壊されてしまう。
予告編
感想
サバンナで観光していた馬鹿な白人一家がサイとかヒョウに襲われてさあ大変、というアニマルパニック映画。…かと思ったんだけど……。
監督・脚本のMJバセットという方は前作「ローグ」でもすごく似たような作品を撮っており、どうもアフリカの動物保護活動に熱心な人物のようです。それは別に構わないんですけど、こういう映画の中でも動物を悪役に見せたくない気持ちが強いようで、本作において人間が動物に喰われるシーンは一切ありません。いや~これは人喰い映画マニアにとっては正直すごくつらい。なんでこんな設定で誰も喰わせないんだよ!一人くらいイイだろ!エサあげてやってよ!!と叫びたくなるほどフラストレーションがたまりまくり。
はあ…。で、主人公ジャックはエクソンモービルの社員。もちろんそれも無意味な設定ではなく、環境を破壊するオイルメジャーを批判する意図もあります。実に説教臭い。しかしジャックはエクソンをクビになっており、家族にそれを隠して休暇にやってきている。カネがないからツアーに参加できない、護衛も雇えない、レンタカーはボロいハイエース…そんな状況の中、
「自力で行ってこそ最高の冒険さ」
「時にはルールを破ることも必要だ」
などとほざきながらゲートを強行突破してしまう。
エクソンの社員など馬鹿しかいないということですかね。株主としては黙っておれませんな。35株しか持ってないけど。
ただ本作、この馬鹿家族がサイに襲われるシーンは非常にエキサイティングで良いクオリティです。サイのCGがアサイラム並みなのは置いといて、自然を舐めまくってウホウホ喜んでいる馬鹿に突進するサイの圧倒的パワーには興奮せざるを得ない。そこで一人か二人殺ってくれればもっと良かったのですが、本作においてサイは保護すべき弱者なのでそこまではやってくれず。
ヒョウが襲ってくる場面もわりと良かったんですけどね。殺して喰ってくれないのが問題なだけで。別にサバンナなんて弱肉強食で当然なんだからあんな馬鹿共を喰ったところで誰も悪役だとは思いませんよ。
ということで真の敵は当然のように「密猟者」となり、”石油マン狩り”だぜヒャッハー…てなノリのクライマックスはあるものの、人間様の踊り喰いを楽しめなかった私の心の隙間を埋めるには至らなかった…というところです。
「クルーガー 絶滅危惧種」(Amazon Prime Video)
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