概要
原題:Pumpkins
製作:2018年イギリス
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:マリア・リー・メザーリンガム
出演:マリア・リー・メザーリンガム/テリー・ウッズ/デヴィッド・ヒーリー
深い愛情を注いでカボチャを育てていた農夫。ある日、近所のバカな若者がそのカボチャに心ないラクガキをしてしまう。すると、農夫は精神的ショックのあまりその場で死んでしまった。カボチャをバカにするヤツはゆるさない…。カボチャ頭のモンスターとなって復活した彼は、近所に巣食うバチ当たり共を始末してゆく。
予告編
感想
2018年製のイギリス(アイルランド?)謎映画。
超低予算のスラッシャーもの。雰囲気やBGMはジョン・カーペンターリスペクトで、殺人鬼も頭がカボチャになっただけでツナギ着てるしまんまマイケル・マイヤーズ。ただ、頭から変な汁を噴き出して攻撃してくるのはオリジナルと言えるかもしれない。
殺される側の若者グループは人数ばかり多くて名前も顔も覚えられないほど印象が薄く、ストーリーと言えるような筋は何もありません。単なるモブがウダウダしてるところを時たま襲われるだけのような虚無系謎ホラーとなっており、1時間22分のランタイムが3倍に感じる程度には面白くないです。もうそろそろ終わりかなあ?と思ってシークバーをチェックしたらまだ28分しか経ってなくて倒れそうになりました。とはいえ本作、独特の微笑ましさが充満しており、正直嫌いではないです。
本作は何と言っても、オープニングで描かれる殺人鬼誕生の瞬間が見所。ここは非常にインパクトがあって良いです。異常にカボチャに愛情を持って育てている農夫が、ただカボチャに軽~くラクガキをされただけでショック死してしまうっていう。そんなしょうもないイタズラをする子供(と言われていた)も実際に演じているのはいい年した老け顔の大人なので二重にシュール。これを真面目にやってるのかどうかわからんけど、少なくともコメディ調のノリでは決してないんですよね。
農夫はあのカボチャを、命を懸けて美カボチャ品評会にでも出そうとしていたのでしょうか? その後殺人鬼として復活したところを見ると何か特別なオカルトパワー持ちのカボチャだったのかな。内容何もないんで、どうせならそういうエピソードを膨らませて尺を稼げばもう少し面白くなったんじゃないかという気はします。まあ何にしてもラクガキなんて拭けば取れるんじゃないのとか皮を薄く削ればいいのでは…などとは思いますけれども。
殺人シーンそのものは安っぽいとはいえ量は少なくなくそれなりに手間をかけた感はあり、切り株描写は頑張っています。血糊も比較的多めかな。殺人鬼のトボけた味わいや、本当にジョン・カーペンターのことが大好きなんだろうなあ…と思わせる雰囲気作りなどの点にそこそこ好感は持てます。ということで、私の中では「愛すべきダメ映画」のカテゴリに入れておきたい作品でした。
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