「SNS中毒」 感想 スマホは一日一時間

概要

原題:A Deadly Abduction

製作:2021年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督 クリス・ジェイムズ

出演 ローリー・フォーティア/トゥ・モロー/グレッグ・ウィンター


シェフのイブは恋人とレストランを経営していた。娘のグレースはソーシャルメディア担当として店のアピール活動に励む日々。客足は上々で、何もかもが上手くいくと思われた。だが、グレースはあまりにもSNSにのめり込みすぎ、恋人のマックスとの関係が破局。さらに何者かに突然誘拐されてしまうのだった。


予告編


予告編、なし!


感想



毎度おなじみReelOneのテレビサスペンス。

原題は「A Deadly Abduction」と平凡なのに邦題はけっこうインパクトがあるものになっています。いつだかの「インスタキラー」みたいに実際はSNSがあんまり関係ないのでは…という心配もありましたが、本作はしっかりとSNS中毒者の醜態を描いておりそこそこ楽しめました。



本作の主人公はオシャレストランのシェフであるイブとその娘グレース。SNS中毒者は娘の方で、店の宣伝をしているという建前。なのでひたすらスマホをいじっていても、SNS映えする写真撮影に熱中していても、一応仕事に励んでいる良い子ということにはなっています。



しかし理由は何にせよ片時も画面から目を離さず、恋人や家族を目の前にしても生返事ばかりで常にスマホに集中している人間というのはなかなか不快指数が高い。恋人からすれば「俺よりスマホを愛しているのか!?」と怒り出しても仕方ないような気はします。



本作のグレースはあんまりにも行動がアホすぎて同情の余地もへったくれもないようにしか見えないのですが、見た目はともかく一応まだ高校生なので教育と環境に難があったのではないか?とは思えます。分別のない10代の女の子がSNSでろくでもない野郎に引っかかってしまうのはよくある話なんだろうし、それが現代社会の闇と言えばそうなのかもしれません。本作はReelONEのテレビ映画としては珍しいことに割と正しく警鐘を鳴らせている方ではないかと思いました。



また、Z世代の親子関係は昔とは大分異なるという話も聞きます。グレースはイブのことを親友だと明言しており、私の目には割と奇異に映るのですが、今どきの母と娘は親子というより友達のような感覚になっているのかもしれません。傍から見ていると共依存関係のようでちょっとした居心地の悪さを覚えるのですが。



サスペンス的にはひねりは全くないものの手堅くボチボチといったところ。死人も血も暴力シーンもございませんがそれは想定内。それより気になるのは劇伴担当がやる気出し過ぎというか異常に主張が強く、ほとんど常時派手なBGMがズンドコズンドコやかましく鳴っていることです。音量もやけにデカいし、これはかなり気に障る人もいそうな感じ。まあ、私としては劇伴なしの虚無系配信スルー映画よりはにぎやかでまだ良かったです。



「SNS中毒」(Amazon Prime Video)

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