「ストールン 消えた女優の娘」 感想 アンタのものはアタシのもの

概要

原題:Stolen/Who Took My Daughter

製作:2018年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ドン・E・ファンルロイ

出演:カリン・ムーア/ケイティ・ボーランド/マット・トゥルードー


オーディション経由で出演したドラマが大ヒットし、一躍スター女優の座を手に入れたアリーシャ。旦那と娘に恵まれた、幸せな日々。だが、同じオーディションに参加し蹴落とされたケイラは、そんなアリーシャのセレブ姿に嫉妬の炎を燃え上がらせていた。スターになるのは自分のはずだったのに…という思いに囚われたケイラは、アリーシャの娘ジェシーを誘拐してしまう。


予告編


予告編、なし!


感想



「アナコンダ3&4」

「殺人魚獣ヘビッシュ」



でお馴染みのドン・E・ファンルロイ監督によるテレビ映画。

内容としては実にありがちで、セレブ女優アリーシャに嫉妬したサイコ女のケイラが幼い娘を誘拐し10年間育てるが…という話。



彼女らにはドラマのオーディションで競合した過去があり、サイコ女・ケイラの方が落っこちてしまい「キィィーアタシがあんなのに負けるわけないのに!」と発狂してしまう。いや、元からサイコっぽかったかな。なんと分かりやすい悪なのか。ついでにクルマにはねられて流産までしてしまい、人生のドン底へ。そもそも妊娠中にドラマで主演女優なんかやれるもんなんですかね。知らんけど。



セレブ女優の座も優しい旦那も盗まれ、子供まで失ってしまった…ならば、せめて娘はいただいてしまってもよろしかろう。ケイラの思考回路としてはそんな感じだったと思われますが、この手の女性向け劣化火サス映画ではこのように娘を奪い合う作品が実に多い気がします。



なのでストーリー的には目新しさは感じないものの、誘拐からあっさり10年が経過してしまうことや、「クライマックスは娘を奪還するシーンだろう」という予想をもあっさり覆し、序盤で娘が自力でさっさと帰ってきちゃう展開など、微妙に定石を外しておりテンポも悪くなくそこそこ。クズ人間の見本市のような登場人物造形もぼちぼち楽しめる。ここら辺はさすがベテラン監督ドン・E・ファンルロイの手腕といったところでしょうか。



基本シリアスな人間ドラマではありますが、ケイラが小さいフライパンでパコンパコンと殴るだけで大の大人が二人も殺されたり、自力で手錠を簡単に外したり、刑事を一蹴りでKOしたりと大雑把な描写が笑えます。まあ実はケイラが無茶苦茶強いという表現だったのかもしれませんが。クライマックスのカーチェイスや殴り合いもかなりポンコツな演出具合なものの「エグゼキューター 暗殺者」などに比べれば割合派手目ではあるので、アマプラテレビサスペンス劇場の中では良い方だったと思います。



「ストールン 消えた女優の娘」(Amazon Prime Video)


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