概要
原題:巨蛛/Giant Spider
製作:2021年中国
発売:彩プロ
監督:リー・ヤードン
出演:ユー・ロングァン/スー・ユーチェン/チョウ・ハンユァン/リー・シャオアイ
砂漠の研究所で実験用の巨大グモが暴れ出し、職員を殺害する事件が発生。民間のレスキュー部隊が生き残った職員とデータ回収の任務を受けることに。だが、そこには想像を絶するほど大量のクモが待ち受けていた。
予告編
感想
いい加減スルーしたい量産型中華モンパニですが、一応サメ・ワニ・クモだけはチェックしておこう…ということで鑑賞。
基本的にはやはりいつものテンプレートに沿った作りです。研究所で実験用生物が暴走、それを助けに行くレスキュー部隊。このパターンは親の顔より見たと言っても過言ではないのでそろそろ禁止にした方が良いのではないか。そして中国映画ってなぜかいつも集合写真を撮りたがるんですよね。そんな絆をアピールしつつ、いつものようにカッコつけて死んでいく仲間たち。でも衛生兵と通信兵だけ名前が「太っちょ」「おたく」。危機迫るパニックシーンでも「おたく!!」とシリアスに叫ぶ隊長。「メガネ」じゃないだけマシか? しかし彼らには特に何の見せ場も存在しない悲しさ。
クモのCGはショボイけど最低限それなりにキモがれる質感はないこともないレベルです。物量的にはなかなかのもの。ただ、中国のクモ映画ってどういうわけか足で人を刺すのがメインの攻撃手段になりがちなんですよね。本来クモにそんな習性はないっていうか足は武器でも何でもないのでなんか微妙に冷めます。サメ映画で言えばヒレで人を叩いて攻撃してるようなもんでしょうか。
私は巨大クモにはしっかり人を食べてほしいと常々思っているのです。サメやワニと違い、得物に噛み付いて中身だけをチュウチュウ吸い尽くすクモの捕食は独特の嫌悪感があって良いものなのです。本作でも砂漠で干からびた死体がたびたび出てきたのでそういう場面もあるのかなと期待したのですが。あったのはテロリストとのやけに本格的な銃撃戦でした。戦争映画さながらの迫力でしたが、別にそういうの求めてないから! 彩プロはそこが気に入ってこれを買い付けたのかもしれんけど。
それはさておき本作は中華テンプレモンパニとしては珍しく、輝く刀をスタイリッシュに振り回すスーパーアクションヒロイン的なお方がレスキュー部隊の助っ人ポジションで出てきます。とはいえ身体能力はちょっと運動神経の良い一般人レベルなので、アクションは結構なガッカリ感が滲み出ており出番も控えめという残念さ。それでもモブ顔揃いのレスキュー部隊よりは面白味のあるキャラクターに違いは無いので、ヘボアクションでも開き直って彼女を主役に据えれば良かったのではないかと。
ラスボスの背中からクモの足が生えた女科学者も中華製にしては珍しいほど張りきったビジュアルだったので、もう少しでテンプレから脱却できそうな惜しい雰囲気があるようなないような…でも、中華モンパニの新しい可能性を垣間見られたのかもしれない。ちょっとだけそんな風に思いました。
「ジャイアント・スパイダーズ 巨大クモ群団の襲撃」(Amazon Prime Video)
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