2022年 好事家的映画ベスト10





2022年も早くも終了です。なんでこんなにも早く感じるのでしょうか。このままではあっという間に寿命を迎えてしまいます。残り少ない人生を無駄にしないためにも、もっと面白くて有意義な映画をたくさん鑑賞しなくてはいけません。そのためにこの年間ベスト記事を多少なりとも参考にしていただければ幸いです。



…と言いたいところですが、今年は新作映画を180本程度しか観れておらず、年間ベスト作品を10本も選出するのにやや苦心しました。世間の評判を全然考慮せず気になったものを手当たり次第に鑑賞しているせいもありますね。海のものとも山のものともつかぬ映画を観たい。タイパなどくそくらえ。他人のレビューなど参考にして選ばない。自分にとって面白い映画なんて自分にしか分からないし、自分で発見したいのです。



ということで私の好みもわりと特殊だと考えられるので、あまり真に受けず「こんな奴もいるんだ…」程度にお考え下さい。また、星の数も別に客観的評価でも何でもない単なる私の好感度なのでその点もご注意ください。


(※Primevideo配信のみの作品は画像リンクを作れなくなったのでジャケ画像なし)



10位 悪魔の池





「X エックス」



感想記事を書きそびれてしまった作品。これを鑑賞中に発熱して体調が悪くなってしまい、翌日にはコロナ陽性判定。そのまましばらく寝込んだために感想は書けずじまいでした。内容的にはスラッシャーホラーとして普通に良い出来なうえ、新しい殺人鬼像を提示。しかもワニによる爽快なマンイート・シーンまで見せてもらえるとあってはたまらない。というか図らずも今年ベストワニ映画に。続編もやるらしいですがまたワニ出してくれないかな。期待のしどころが違うか。



9位 本当は怖いUFO





「NOPE/ノープ」



突飛な話で少しわかりにくいとか、いくらでも逃げられるのにあえて逃げずに立ち向かうところがモンパニ的にはちょっと乗り切れないというのはあります。まあ本筋はモンパニとして観るべきではないんでしょうけどね。とはいえクオリティそのものはえらく高いし、チンパンジーが暴れる過去パートはアニマルパニック的で非常においしい。劇場で観るべきスペクタクル感もあり、充分楽しめました。



8位 ジャーロへの愛





「ブラッディ・スワン」


★★


アマプラ謎映画沼の中から不意に飛び出した快作。往年のイタリアンホラー、ジャーロの雰囲気を再現したような内容となっており、それが好きだった者にはたまらないものがあります。そうでない人にとってはクソ映画に見えるかもしれませんが、アマプラ謎映画基準でいえば信じがたいほどクオリティは高いんですよ。こんなに尖ってるアマプラ謎映画は年に1本あるかないかのレベルなんです。

そういや「ブラック・スワン」のパチモン風になってますが、私はそちらを観ていないのでどのくらい似ているかは分かんないんですよね。



7位 殺人パンツ





「キラー・ジーンズ」


★★★★


ジーンズがひとりでに動き出し、アパレル店員&客共の肉に食らいつく!ジュルジュルと血をすする!!首を絞める!!! 無生物襲撃映画マニアにはたまらない傑作。この上ないほどのバカ映画でありながら真面目に作って社会派的なメッセージまでしっかり込められてあるのがうれしいですね。




6位 悪夢のバカ





「海上48hours 悪夢のバカンス」



★★★★


かなりバカっぽいお話ではありますが、劇場での公開・鑑賞に耐えうるようなサメ映画の存在は非常にマレなのです。悪夢的なほどバカな若者どもの肉に喰らいつくサメの描写はかなりいいデキ。それがキチンとできているサメ映画は本当に少ない。アニマルパニックというよりはスラッシャーホラーに近いノリなのでシリーズ化してもいいんじゃないか。マンネリでもいいから年に一本はこういうのが劇場公開されてほしい。世間の評判がどうであろうとサメ映画マニア的にはかなり上位に置きたくなる愛すべき作品です。



5位 サメは心の中に





「ノー・シャーク」


★★★★


サメ映画には実はサメがあまり画面に映らないという法則を逆手にとり、0.1秒たりともサメを出さないことをテーマにしてしまった怪作。出オチ、一発ギャグみたいなしょうもない作品なのかと思いきや意外にもめちゃくちゃ真面目に作られており、そこらへんのB級サメ映画よりもよっぽど面白い。尺は長くてモノローグ山盛り。そんな手法で直接サメを出さずとも余白でサメを浮かび上がらせ、サメ映画マニアの心に棲むサメの姿をえぐり出した文学的芸術作品なのだと思っています。




4位 本当の野蛮人はどいつだ





「バーバリアン」


★★★★★★★★


はじめはディズニープラス独占だったため完全にノーマークでしたが、これは思わぬ拾い物。話の転がし方と恐怖演出が素晴らしい。



3位 ナルキッソスの鏡





「ウィジャ・シャーク2」


★★★★★★★★★


一点突破型のヤケクソ系クソサメ映画の続編がまさかのエボリューション。地方でも劇場公開するという蛮行には不安しかありませんでしたが、ふたを開けてみれば歴代のクソサメ映画の中でも屈指の大傑作に仕上がっていました。あの前作からこれほどまでに激しくクオリティアップを果たすなど一体誰が予想できたでしょうか。あまりに革新的なストーリー展開と映像技術、熱いクソサメ映画愛に感動の涙を禁じ得ません。ジョン・ミリオーレの名はクソサメ映画界の英雄としてクソサメ映画マニアの間で語り継がれていくことでしょう。



2位 ネコ科・パニックの決定版





「ビースト」


★★★★★★★★★


これ以上ないほどストレートなA級アニマルパニックの出現にマニア大歓喜。このジャンルは9割がた低予算クソ映画ばかりなので、これほどまでにクオリティの高いものを作り、しかも劇場公開までしてくれたことに対して感謝しかありません。アマゾンレビューではボロッカスに言われてるので世間の評価はいまいちっぽい?けど、これほどのアニマルパニックなんてそうそうないですからね。人を憎むライオンの恐ろしさをこれでもかとスリリングに描いており、ネコ科映画としては確実に最強クラス。アニマルパニック全体で見ても屈指の傑作であると言えます。




1位 グレムリン2022





「シャドウ・イン・クラウド」


★★★★★★★★★★


ビーストとどっちを上にするか悩んだけど、今年劇場へ2回観に行ったのはこれだけなのでこっちを1位にしました。飛行中の爆撃機の腹にへばりつくアクションがたまらなくスリリングで素晴らしい。グレムリンの存在は何とも馬鹿馬鹿しいんですが、ジャンル映画においては荒唐無稽なものを真面目に描き切ろうという精神が肝要かと思います。



おわりに



ここでは劇場公開作も未公開作も一緒くたに扱っていますが、年間ベスト作品はやっぱり劇場で鑑賞した作品が多くなりますね。劇場の大画面・大音響で観れば家の小さなテレビで観るより数倍は面白く感じられますからね。特に今年はウィジャ・シャーク2を劇場で鑑賞できたのが幸運でした。サツゲキはドマイナーな映画でも上映してくれるからありがたい。来年はキラーカブトガニもやってくれるみたいだし。サツゲキはドサンコクソ映画マニアの心のオアシスのような場所と言えるでしょう。とはいえ22年は経営危機もあったので今後も潰れない程度にうまくやってほしいところです。



もちろんそれ以外のDVDスルー作品やアマプラ等配信スルー作品の中からも尖った良作がたまに出てくることがありますので、今後もなるべく漏らさず掬い上げていきたいと思います。


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