概要
原題:An English Haunting
製作:2020年イギリス
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:チャーリー・スティーズ
出演:リース・コノリー, ティム・カートライト, ナタリー・マーティンス
人里離れた屋敷に住む祖父が寝たきりとなり、孫のブレイクとその母が駆けつける。その夜、悪夢にうなされ目覚めたブレイクは、屋敷の図書室で怪しいテープレコーダーを発見。そこには陰気臭い祖父の後ろめたい秘密が隠されていた。
予告編
感想
汚い血みどろスプラッター大好きなチャーリー・スティーズ監督が欲望を抑え、スーパーナチュラルでゴシックな雰囲気に徹した心霊ホラー映画。
舞台となる古い屋敷の薄気味悪い雰囲気だけは悪くないものの、全体的に薄味すぎてほとんど印象に残りませんでした。タイトルからしてあんまりやる気ないしなあ。慣れない静の演出でフラストレーションがたまってしまったのか分かりませんが、この監督にしてはいつになく一本調子で退屈。なかなか死人も出てくれません。
ブレイクの祖父役がちょっと前に見た「ブラッド・ムーン」に出ていたマヌケなホテル経営者と同じ役者のおかげで、どうも怖くないというかむしろ笑ってしまいます。こっちを先に観ておけば良かったかな。
後半はもうほとんど意識が霧散していたので話の内容をあまり把握できていないのですが、それでも全身白塗りの奇妙な三人組の変態悪霊(?)が出てくるところだけは目の覚めるような不可思議なインパクトがありました。と言っても賑やかし程度にそこにいるだけで別に何もしないんだけども。全身白塗りで腰にタオルを巻いただけのいで立ち。まるでお風呂上りでいい気分になってる野郎共のようである。そんなのが3人も並んで非常に良い笑顔で激しく舌をペロペロしており、悪霊のくせに妙に愛嬌がありやがります。なんて楽しそうなんだ。
多分スティーズ監督も本作の印象の薄さは自覚していて、ならばせめて何かひとつでもと思ってこんなふざけた風呂上りの白塗り悪霊トリオを投入したのではないかと考えられます。可もなく不可もなく無難な作品で終わらせることをよしとせず、無理やりにでも観客の心に爪痕を残そうとするスティーズ監督の心意気は称賛したい。そんな風に思いました。
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