概要
原題:Hacker
製作:2017年アメリカ
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:ナディーム・スマー
出演:ヘイリー・ダフ/クレイグ・スターク/ダン・スペクター
幼い頃、父親を国家反逆罪で逮捕され一人で生きてきたローラ。20年後、NSAの契約社員として働いていた彼女は、ダークウェブ上で国会議員の暗殺計画を発見する。その首謀者がかつて父親を逮捕した元NSA幹部であることを突き止めたローラは、議員暗殺計画を阻止しようと行動するが…
予告編
感想
「ブロークン・プロミス 身代わりの代償」の監督ナディーム・スマーによる新作テレビ映画。
ある組織が企てていた議員暗殺計画を女ハッカーが察知し、それを食い止めようとするサスペンス。「ブロークン・プロミス」も大概でしたが、本作もディテールがものすごい雑というかえらくふんわりしており、何となくのハッタリだけで進行していくようなテキトーな雰囲気が全編に漂っています。主にハッカーのパソコン画面とかに。
まず主人公ローラが議員暗殺計画を発見する冒頭からして謎が多い。そもそもそんな物騒な計画をダークウェブとはいえわざわざネット上でやりとりするのはいかがなものか。何も知らずにそんなものを拾ってしまうローラは普段からエシュロンのデータ分析でもしているのか。
ローラは暗殺計画を察知したことによって組織から狙われることになりますが、なぜ彼女が主体となって証拠を掴んだり計画を阻止する必要があるのか。NSAに属しているなら上に報告してあとは任せるなり匿名で警察に通報するなり、もしくは議員にあんたの暗殺計画が進んでますよと教えてあげればいいと思うんですが。因縁のある相手だったから?
クライマックスでのローラと首謀者との対決はあまりにもマヌケすぎて開いた口がふさがりませんが、あくまで暇つぶし目的でゴロゴロしながら眺めるテレビ映画としてはボチボチ楽しめる方かなとは思います。恋愛とか父娘の絆といったニンゲンドラマ要素も飾り付け程度に盛り込まれてますしね。
そんな本筋よりも私が気になったのはローラの飼っているボウシインコです。
(※本編の字幕ではオウムと言われてますが、冠羽がないのでインコです)
前半ではこれはもうサスペンスではなく実質ただのインコ動画なのでは?と思ってしまうほどの愛嬌を振りまき、達者なおしゃべりを披露してくれます。セキセイインコは飼ってるけど、中型大型の鳥とも触れ合ってみたいんだよなあ…。物語的には一体何のために出てきたのかさっぱり分かりませんが、別にいいんです。鳥好きはありがたくこの可愛さを享受しておけばよろしいでしょう。
…ただ、問題はローラが彼を部屋で常時放し飼いにしていることです。飼い主が在宅ならいいけど、留守中でも放し飼いなのはさすがにいかがなものか。そんなことをしたら本や書類は全てシュレッダーにかけられ、綿棒は床にバラまかれ、パソコンのキーボードは全てのキーが砕かれ取り外されてしまうことでしょう。
それだけならまだしも、ケーブルとか噛み千切って漏電させてしまうかもしれんし、変なところに潜り込んで行方不明になってしまう危険もあります。常時放し飼いなど鳥飼いとしてあるまじき行為なのです。
それだけならまだしも、中盤では組織の暗殺者がローラの家を襲撃してきます。ガラスを派手に割って侵入してくるわけですが、そこから辛くも脱出したローラはインコを放置したまま最後まで自宅に帰って来ません。ガラス片でケガはしていないのか。エサや水は足りているのか。窓から外へ出ていないのか。本筋よりもそっちの方が気になって仕方ない…が、インコはそこでまさかのフェードアウト。
あのビッチ野郎…!
「20年間唯一の友達だった」みたいなこと言ってたくせに何してんだよ…!
エンディングで再会するのかと思ってたのに何のフォローもなしとかどういうことなんだよ…!?
たかが議員一人の命なんぞよりインコの方が一億倍大事だろうが!!!!
今日はそんな風に思いました。
「8月9日午後5時の議員暗殺計画」(Amazon Prime Video)
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