概要
原題:Dual
製作:2022年アメリカ
発売:アルバトロス
監督:ライリー・ステアンズ
出演:カレン・ギラン/アーロン・ポール
サラは不治の病により、余命僅かと宣告される。遺族の為に自らのクローンを作るが、なぜか奇跡的に病が治ってしまう。オリジナルとクローンの共存は法律で禁じられており、双方が生存を主張した場合は決闘裁判が行われることになっていた…
予告編
感想
オリジナルとクローン人間との決闘を描いたSF映画。
ということで当然、
↑こういう楽しそうなのを勝手に想像していました。
だってジャケ絵もそんな感じの雰囲気だし仕方ないと思うんですよ。同じ顔の人たちが斧とボウガンで殺し合う映画にしか見えないじゃないですか。
ところが蓋を開けてみたら全然違うっていう。
自分が死んだ後の身内の悲しみに備えるため、あらかじめ自分のクローン人間を作っておく。が、末期的な不治の病が奇跡的にうっかり治ってしまった。生存権を得るためにはクローンと決闘するしかない!そしてその決闘の模様は大人気娯楽番組として全米に中継されるのだ!!
っていう設定とストーリーは非常にバカっぽくて面白そうに見えます。倫理観狂いまくりの未来世界。テキトーすぎるヤブ医者。唾液から即作成できるクローン人間。そっちの方を気に入ってしまう冷たい身内。ブラックでフラストレーションの溜まる展開が続き、それが一気に解放されるであろう決闘シーンに期待が高まります。
その決闘方法に関しても、ランダムで5種類の武器が与えられ、10秒間のうちにどれかを選択するという戦略性が持たされている。銃が出たらつまんないけども斧とかボウガンとかでやり合う分にはそこそこ全米が盛り上がるであろう設定なんです。
クローン人間周りの設定はあまりにも荒々しく、この決闘システムを成り立たせるための強引さが滲み出まくりなんですが、そこまで決闘をやりたいんであれば仕方ないでしょう。オリジナルvsクローン人間の血で血を洗う闘争をどんな激しいアクション&スプラッターで魅せてもらえるのか。それだけを楽しみに鑑賞していたわけですが。
以下ネタバレあり
まさか決闘しないだなんて思わないじゃないですかー…
これは過去最大級の肩透かし。
オリジナルのサラはわざわざ専門家に弟子入りして暴力に慣れるためにスプラッター映画の鑑賞までやって備え、体術や武器術など1年間もみっちり修業していたというのに。それまでの蓄積を全部放り投げてしまう展開にこの監督の個性を見た気がします。せっかく面白そうな舞台を用意しておいて役者をそこには上げない。釣った魚にエサをやらない。そういう人だと知らずに手を出した私が悪いんでしょうね。
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