概要
原題:TITANIC RISES
製作:2022年アメリカ
発売:プライムウェーブ
監督:ニック・ライオン
出演:キーシャ・シャープ/リディア・ハースト/ジョセフ・ガット/ジェイミー・バンバー/アナリン・マコード
初代タイタニック号の悲劇から110年後、初代を復元したタイタニック3号が出港。その中には遺品を売りさばいて金儲けを企む人物も乗っていた。そして3号がかつての遭難現場へやってきた時、怒った初代の犠牲者たちが怨霊となって彼らを血祭りに上げてしまう。
予告編
感想
「シン・タイタニック」ってオイ…
タイタニック3号ってあなた…
しかも初代の犠牲者たちが怨霊となって現れて3号の乗員乗客を血祭りに!
タイタニックをネタに金儲けするクソ共は皆殺しだぜ!ぐへへ!!
って…それ色んなところから怒られません?
勝手にそんなことしていいんですか!?
…
…
いいんです。
面白ければ。
前にもどっかで書いたと思いますが、私はキャメロンのタイタニックが全く楽しめなくて人生最悪の1本と言っても過言ではないくらい気分が悪くなったのです。あの映画のせいで私の中ではキャメロンとアカデミー賞への信頼は消え失せ、興行成績や世評の高さが何の保証にもならないと学びました。良くも悪くも権威に流されにくくなった。私がその後B級C級珍作午後ロー方面へ著しく傾倒していったのはその影響も多少はあると思っています。
そういう人間からすると、本作は24年越しの留飲を下げてくれて大変面白かったと言えます。客観的に見てもアサイラム作品としてはトップクラスのクオリティ。さすが「シン・アルマゲドン」という尖った珍作を放ったこともあるニック・ライオン監督です。若干の中だるみは否めないものの、3号のCGは良くできているし、ンボボボボボォみたいな怨霊が暴れる心霊ホラーとしてもそこそこビビれます。
また、タイタニック号の遺品を売りさばいて金儲けに走る悪党を犠牲者の怨霊がこらしめる…いや皆殺しというストーリーは、製作者の自己批判になってしまうリスクを負ってでも打ち出すメッセージとして価値があるものだと思えます。…などと言いつつ全然関係ない乗員乗客も全員まとめてぶっ殺されていたのはご愛敬(?)。
まあそうは言ってもアサイラムクオリティには違いなく、題材や邦題のアレっぷりからしても世間ではネタ映画、クソ映画扱いされることは間違いないでしょう。しかし、たとえそうでもこれは面白い方のクソ映画です。キャメロンのタイタニックが大好きという方は間違っても視界に入れるべきではありませんが、そうでない人は新作料金でレンタルしてもそれほど損はしないかもしれないよ…とだけ囁いておきます。
コメント
これはどうも、今年もよろしくお願いします。タイタニックを観たことがない人の場合、単なる幽霊船もののB級ホラーにしか見えないでしょうねえ。今年もビシバシ変な映画を漁っていこうと思います。