概要
原題:The Oracle/Alien Prophecy
製作:2020年アメリカ・中国・インドネシア・パナマ・ペルー・台湾
配信: Na Pali Coast Productions LLC
監督:ローレンス・フランゼン
出演:ブレント・ゲーラン/エロディ・ハラ/エディ・G・ ムノス
雲から未来を読み取るハワイの家系から予知能力を得た女は、筒から炎を出す技を習得し、愛の行為を体外離脱させる術を習得した女と出会う。一方、上海グループに属している忍者アキヒコは無人島でカニのショウガ焼を食べて食当たりし、ポリ袋を危険視する妹を米国的じゃないと非難する。そして月の新型燃料を巡り、世界各国のスーパーエージェントたちの戦いが始まる…
予告編
感想
水爆級のSF超怪作。
2年位前に配信された時、オープニングをチラ見しただけでスルーしてしまっていたのですが、この度クソ映画仲間に見ようぜと言われてしまい覚悟を決めて鑑賞致しました。
まさかこれほどまでにトンチキポンチキな作品だったとは…
私が上の概要欄に記したあらすじを見て察していただけるかと思いますが、本作はストーリーの支離滅裂具合があまりに極まりすぎていて、もはや米軍でも解読不能な暗号と化していると考えられます。これを観て困惑しない生物などおるまいという領域です。
全編を通して何の脈絡もない場面転換が異常に多く、そのたびに場所も登場人物もコロコロ入れ替わる。群像劇か何かのつもりなのか。舞台はアメリカ・中国・インドネシア・パナマ・ペルー・台湾とむやみに国際色豊かです。なので、おそらく監督は酒盛り世界一周旅行をするついでに酔っ払った同行者に小芝居をさせて遊び、それを繋ぎ合わせて90分の動画に仕立てたのではないか。それでデータ上は六か国合作扱いになってるのはいかがなものかと思いますが…
そんな酔いどれホームビデオをどうして動画配信サービスを通じて世界各国に散布するなどという暴挙に至ってしまったのかは知る由もありませんが、世界一周旅行なんてするくらいだから多分小金持ちの手慰みなのでしょう。この作品そのものは激安なので富豪とまではいかないはずです。それにしても日本大好きっぽいのになんで日本には行かなかったのか謎。
全体像を理解することは到底不可能なので印象に残った場面を挙げていくことにします。まず、忍者アキヒコを追ってペルーにやってきた筒から炎を出す女エージェントがサンゴヘビを空中焼きにして食べるシーンが面白い。あの猛毒サンゴヘビを見つけて「今日の夕食だわ!」などと喜び、空中に放り投げて炙り喰らうとは一体どんな恐ろしい能力者なのか。というか本物のサンゴヘビっぽいので観ていて怖いんですが。こんな映画に出演して命を落としたらダーウィン賞を受賞してしまいますよ。
忍者アキヒコが無人島でカニの生姜焼きを食べて食当たりに陥った際、かつての恋人ジュリアナが満面の笑顔でサンバを踊りながら出てくるくだりの破壊力もとんでもなく凄い。何から何までカオスすぎて豆鉄砲を連射されたハトのような顔にされてしまう。おそらく旅行中に現地で出会った踊り子にノリで出演を頼んだのではないか?とは思います。ただ、imdbで本作のスタッフを確認するとダンス振付師なる人物が存在するのが気になりますが…このサンバ姉さんに何か深淵な意図でもあったのだろうか…脈絡のないダンスシーンは他にも結構あるけども…
そしてクライマックスは忍者アキヒコとどっかの国の女エージェントとの一騎打ち。これまた想像を超える珍バトル。アメリカ映画としては珍しくわりとちゃんとした黒装束に身を包んでいるアキヒコ。が、いかんせん日中の荒野なので全く忍べてないどころか死ぬほど暑そう。堂々と姿を現し「刺身にしてやるぜ!」と斬りかかる。せっかく手裏剣持ってたんだから使ってほしかったなあ。格闘アクションそのものは…まあ…一般人が戯れで撮影したホームビデオとしてはそれなり…かもしれない。手から炎を発射するアキヒコに対抗し、手で電撃を練り上げて放出する女エージェント。そして
「FBIには月の発掘現場を忍者が爆破したと伝えたよ」
情報過多にもほどがある。混沌を超えた混沌。とりあえず、超能力忍者バトル大戦が描きたいんだあ~という監督の情熱だけは伝わって来ます。多分ナルトが好きなんだろうけど…いや、もしかしてサムライ8の方かな…
SF映画というジャンルの中で言えば
あたりのレジェンド作品と比較しても何ら遜色がない。いや、それ以上か。
能力者バトルという点では「イモータル・ウォー」に近かったかもしれない。
世の中にはまだまだ人知れず、途方もなく凄い映画を撮っている愛すべきイカレ野郎がいるんだ…!
ということでマニアの方は是が非でも伝説の目撃者になっておくべきかと思います。
コメント
いやーこれは本当に面白かったですね!
酷すぎて真顔になるクソ映画と酷すぎて笑顔になるクソ映画があるけどこちらは後者でしたね
あれ、合成じゃなくてちゃんと各国に行ってたならかなりの制作費だよね?!
ローレンスフランゼン監督の今後に注目ですね!
これを撮るためだけにわざわざ世界各国を巡ったとはさすがに思えないんですが、どうなんですかね。詰め込まれた要素の大渋滞を思うに当人は大傑作を撮ったつもりな雰囲気もするのであり得なくもないかな…?
でも、おそらく次回作は無いと思います笑
お待ちしております!!!!
これはかなり面白かったな~
一人で観るのは無理だけどww
なんだかんだあれくらいのトンデモ映画は年に数本出てくるはず!!
何か面白そうなのを見つけたらすぐ情報共有致します。
わけがわからなくてすごいですね。ラストの意味深な光も全く意味不明です。
序盤、食あたり前のアキヒコが「スプーンで象を倒し海藻でサメの首を絞めたこともある」とかなんとか自己紹介していたのを見て、そこを映画化しろよと思いました。
あと自然は雄大ですし生き物は資料映像のようにきれいですね。
その部分がポピュレーションワンよりはマシかなとなんとなく思いました。気のせいかも。
クソ映画愛好家の皆様がこれからも楽しめる作品とたくさん出会えるよう、心よりお祈り申し上げます。
何もかも意味深なようにも見えるし、何も考えず場当たり的にやってるだけのようにも見えるという奇跡的なわけのわからなさでしたね。アキヒコくんはサイコキネシス使いなのでスプーンや海藻を飛ばして攻撃したってことなんでしょうけど、サメというか魚類に首は無いというジレンマ。それもですが私はカニの生姜焼きという謎料理が気になって…
ポピュレーションワンに比べれば笑える支離滅裂さなので、確かに苦痛はなく楽しかったですね。同じクソ映画でもこんな風にネタが詰まったクソ映画を引き当てたいものです。
宇宙なんか全く出てこなかった。
それはさておき、意味不明なストーリーに意味不明なキャラ達がもう意味不明すぎて、観終わってから「誰か解説頼むー」とネットで検索してこのブログにたどり着きました。
「超怪作」ということで納得しました。
ありがとうございましたm(_ _)m
どうもこんばんは。純粋に騙されて観始めたのに、最後まで鑑賞し切ったとはなかなかやりますね。普通は耐えられないですよ。しかし本作の解説は作った当人たちでも不可能だと考えられます。おそらく正気ではない状態で製作したでしょうからね。