「ゴースト・チャイルド 呪術契約」 感想 事実はクソ映画より奇なり

概要

原題:Blood Child

製作:2017年カナダ・アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジェニファー・フィリップス

出演:アリックス・メローネ/シンシア・リー・マッコーリー/シャーロット・キャッテル


アシュリーは夫の赴任先シンガポールで流産し、もう子供が作れないと宣告されてしまう。アメリカに帰国後、アシュリーはインドネシア人家政婦の助けを借りてある呪術儀式を行う。その後、アシュリーの家で次々と怪奇現象が起こる。彼女は幽霊の子供を育てようとしていたのだ…。


予告編

感想



「実話を元にした物語」

「一連の出来事は全てそのまま描かれている」



…と、冒頭ではっきり宣言してくれるホラー映画。



そのわりには呪術契約だの幽霊を育てるだのとオカルト全開の内容ですが、配給会社だけでなく本編でそう明言しているのだから受け手も実録物として鑑賞するのが礼儀というものでしょう。



…と思ったんですが、実録物どうのこうの言う以前にサッパリ面白くないから困ります。人が全然死なないんです。人が死なないホラー映画ほど面白くないものはありません。誰でもいいからまずはやっちまえと言いたい。実話だから仕方ない、現実の事件では終盤まで大して何も起こらなかったんだよ!と言われたらそれまでですがね。それにしても大して何も起こらないのはなあ。



また、本作を観ていて驚くのはアジア人への露骨な差別表現です。白人夫婦がインドネシア人家政婦を雇っているのはまあ…いいのかもしれませんが、赴任先に合わせて世界中連れまわしているわりには当たりが厳しい。主人公?アシュリーはそうでもないけど、その旦那や義母、友人たちは揃って家政婦をイビるわ、シンガポール等のアジア国を遅れている国呼ばわりするわで今どきのアメリカ映画とは思えません。家政婦というより奴隷のように見えます。



そもそもアシュリーが流産して2度と妊娠できなくなったのもシンガポールの遅れた医療のせいと言いたげな風でもあり、まあそれが現実だったのか知りませんが何かモヤモヤしたものを感じます。



そのうえインドネシアの呪術を用いて子供の幽霊を召喚?して育てた結果ろくでもないことになるわけで。まあ何もかもアシュリーたちの自業自得ではありますが。オチはそれをやったら何でもありなんじゃないの、それで実話と言い張るのか?と疑問です。全体的に非常に退屈なうえに胸糞悪さしか残らず、楽しめるポイントが何もなかったなあと思いました。



「ゴースト・チャイルド 呪術契約」(Amazon Prime Video)


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