「ライズ・アンド・トゥルース」 感想 悪い奴ほどよくモテる

概要

原題:Ring of Deception

製作:2017年カナダ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:スコット・ベリア

出演:チャンドラ・ウェスト/スティーヴ・ベーシック/ケイト・スプロール/ルーシー・ゲスト/マディソン・スミス


アートギャラリーを経営するジュリーは、ある日やってきた男性客のマーティンと仲良くなる。一方、ジュリーの息子チャーリーが恋人とその父親を自宅に招待すると、やってきたのはマーティンだった。運命的なものを感じときめくジュリー。だが、実はマーティンは結婚詐欺師だった。そのうえ、彼への復讐を企みサイコ化したかつての被害者が接近中であった。


予告編

感想



またしてもReelOneのテレビサスペンス劇場。

当然ながら主役はセレブ白人女性(50歳くらい?)のシングルマザー。このポリコレ全盛の時代にここまで我を貫き通すとは、もはや偉大なるマンネリズムと言っていいのかもしれません。そんなことないか。



今回は足を洗おうとしている結婚詐欺師との危ない恋愛が描かれます。彼らの息子・娘もそんな感じなのでいつもより恋愛脳度がお高め。

彼らにつきまとうサイコ女(といってもかつての被害者だから気の毒なんだけど)がスパイスとなってぬるいながらも微炭酸程度の刺激を与えてくれます。



主人公ジュリーと息子は金持ちなだけの善人ですが、結婚詐欺師マーティンはかなり悪質な前科者。一応足を洗おうとはしているようなのですが、月8000ドルもする豪邸を借りて住んでおり、今までに哀れな女性から巻き上げた金額のデカさ、傷つけた心の罪深さを察することができます。端的に言って死ぬまで臭い飯を食わせるべきゴミクズ野郎です。



ジュリーとイイ感じに接近すると悪い癖が出るのか、彼女の資産額をこっそり確認して悪い笑みを浮かべています。もしやまた詐欺る気なのか? いや、仮に足を洗っていたのだとしても結婚してしまえばその資産は手に入ったも同然なわけです。いわば今回は最後の仕事。カネで再婚相手を選んだゴミクズ野郎と謗られても仕方のないクズムーブを見せつけてくれます。



ゴミクズ野郎の娘がそれを嫌がっているのは救いかもしれませんが、今まで稼いだカネで贅沢するのは許容しており、聖人ヅラするのもいかがなものかと思います。



そういうわけなので、今回のサイコ女には色んな意味でがんばってほしい。ゴミクズ野郎のケツの穴に熱く焼けた火箸をグリグリねじこんでほしい。耳の穴にクモの卵を注入してバンバン孵化させてやってほしい!



そんな思いで画面を見つめていたのですが、サイコ女は騙されて逃げられた今でもまだゴミクズ野郎への想いを捨てきれていないのです。ジュリーの方も似たようなもんで、奴の詐欺師の顔を知り、現在無職と聞いてもなおゴミクズ野郎に惚れ切っているのです。一体どんだけモテるゴミクズ野郎なのか。まあでも世の中そんなモンかもしれません。仮に奴と私が並んで立っていたら、不審がられて避けられるのは確実に私の方なのです。何なら不審すぎてその場で射殺されてしまうかもしれない。



とはいえクライマックスでは天誅!とばかりにゴミクズ野郎は心臓付近へ銃弾を一発見舞われます。一瞬「やったぜ!ナイスキル!」と快哉を叫びかけたものの、なぜか余裕の軽傷で済んでるゴミクズ野郎に驚きを隠せません。分厚い胸筋が銃弾を止めたというのか!?寂しい中年女性を魅了するために鍛えた大胸筋が心臓や肺を守護ったというのか!?なんというタフガイなのか…




以下ネタバレあり




サイコ女の犯行は逆恨みでもなんでもないので心情的には何かしらの救いがほしかったところですが、そんなもんは何もなく捕まってめでたしめでたし。結婚詐欺師はセレブ未亡人と幸せな再婚を遂げましたとさ。まあこのエンディングは最初から見えていたんですがね。それにしてもこの雑な締め方!これぞReelOneの醍醐味ですな。



「ライズ・アンド・トゥルース」(Amazon Prime Video)


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