「ブラックライト」 感想 安心のオヤジ・アクション

概要

原題:BlackLight

製作:2022年アメリカ

配給:クロックワークス

監督:マーク・ウィリアムズ

出演:リーアム・ニーソン/エイダン・クイン/エミー・レイバー=ランプマン/テイラー・ジョン・スミス


FBI長官ロビンソンの直属の部下トラヴィスは、危険が迫った潜入捜査官を救出する任務を担っていた。だがある日、ダスティという潜入捜査官から「オペレーションU」なる任務の存在を知ってしまう。それは、ロビンソンが保身のために善良な一般人を殺害させているというものだった。


予告編

感想




古希を迎えたリーアム・ニーソンの新作アクション映画。

監督は「ファイナル・プラン」のマーク・ウィリアムズですが、名前も作風も異様なほど地味なんですよね。本作にしても「ファイナル・プラン」にしても、ついでに監督は違うけどリーアム前作の「マークスマン」にしても、例えるならヒジキの煮物か切り干し大根かなっていうくらいに地味すぎる味わいです。



正直DVDスルーで充分というかわざわざ劇場で観るほどの作品でもない気はしていたんですが、それでもちゃんと行ってきました。近年のシネコンは邦画とアニメとアメコミだらけでなかなか私が観たくなるような映画をかけてくれませんのでね。クオリティはともかく、この手のくたびれたオッサンアクション映画からしか摂取できない栄養成分も確かにあるんです。あんまキラキラした映画は私にはただの毒なんです。



まばらな観客も、まあくたびれたオッサンばかりでしたね。もちろん私自身もそうなんですが。上映前の予告編やら地元企業やらの宣伝が異様に長いわ、本編が始まってもいまいち刺激的な展開はないわで序盤なのに早くも横の方からイビキが聞こえてきていました。寝てしまってもしゃーないと思うし私も寝そうだったし別に責める気にもなりませんでしたがね。



内容的には上の概要欄に書いた通りですが、とにかく何の目新しさもなければひねりもなく、ヴァンダムやセガールが山ほど出してるDVDスルー作品と同じような印象。リーアム・ニーソンは危険な仕事を引退してマゴを思う存分可愛がりたいものの、シングルマザーの娘にはめっちゃウザがられている。一体何度観たのか分からんほどありがちなキャラクター造形です。



でもいいんです。別につまらないわけでも不満なわけでも全然ないのです。リーアム・ニーソン自身はトシのせいもあって全然大したアクションはしないものの、そのかわりカーチェイスだけはやたらド派手で素晴らしい。彼の駆るダッジ・チャレンジャーのエンジン音が猛烈にカッコよく、それだけで満足してしまいます。クライマックスの銃撃戦やオチがショボすぎて腰砕けだなんて文句を言ってはいけません。仕事に家庭にくたびれたオッサンにひと時の安寧を与えてくれる…時にはそんなゆるくて優しいアクション映画もシネコンには必要なのです。


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