概要
原題:The Unbearable Weight of Massive Talent
製作:2022年アメリカ
配給:フラッグ/クロックワークス
監督:トム・ゴーミカン
出演:ニコラス・ケイジ/ペドロ・パスカル/シャロン・ホーガン/ティファニー・ハディッシュ
かつてハリウッドの頂点を極めた男ニック・ケイジも今やすっかり落ちぶれていた。多額の借金を抱え、元妻や娘にはウザがられ、やりたい役は掴めない。そんな中、スペインの大富豪・ハビから誕生日パーティに参加してくれれば100万ドル出すというオファーが来る。ハビはニックの大ファンですぐに意気投合するが、しかし彼は犯罪組織の首領でもあった…
予告編
感想
多額の借金を抱え、何十本ものB級映画に出演しまくって汚れ仕事(?)をこなして小銭を稼いでいたニコラス・ケイジがとうとう借金を完済した!…というニュースを見たのは去年の今頃だったでしょうか。「マッド・ダディ」とか「アースフォール JIU JITSU」みたいな珍作映画に出ていた頃はすっかり色物扱いされるようになっていましたが、近年は「PIG/ピッグ」で高い演技力を見せつけ、再評価の機運が盛り上がっているような雰囲気になりつつあります。そんな中、今度は「その男ヴァン・ダム」みたいなセルフパロディー映画を繰り出してきました。
そういえばニコラス・ケイジの主演作っていくつぐらい見てたっけなあ…と思って数えてみたら、31作品もありました。一応、私でも「リービング・ラスベガス」とか「PIG/ピッグ」も観てはいるんですよ。何が面白いのかよく分かりませんでしたけども。そんな湿っぽいヒューマンドラマより「ザ・ロック」「コン・エアー」「フェイス/オフ」の方が断然好きですね。あんまり評判は良くないけども「スネーク・アイズ」や「8mm」あたりもわりと好きでテレビで放送されると必ず観てました。
そんな90年代は良かったものの、その後の「NEXT ネクスト」「バンコック・デンジャラス」「ノウイング」のあたりの時期は何だか本当に目に見えて変な風になってきて、私も劇場で「なんだこりゃ」と半分白目で観ていたのを今でも思い出せます。
しかし後から思えばそこは転落期間のほんの入り口に過ぎず、その後10年近くもさらに変なB級映画に出まくることになってしまうわけです。いや、その辺の作品も嫌いなわけじゃないんですよ。中には「ウィリーズ・ワンダーランド」のような良い作品も混じってますし。色物には違いないけども。
本作はそんなニコラス・ケイジに限りなく近い存在ニック・ケイジが自分の大ファンである大富豪と出会い、CIAを巻き込んだ大騒動が勃発するという内容。
序盤からやさぐれてヤケクソ気味なニコラス・ケイジはある意味いつも通りすぎてそんなに新鮮味があるわけではないです。もちろんつまらないというわけではなく、やさぐれてヤケクソ気味なニコラス・ケイジはいつどんな映画で観ても非常におもしろいです。もう完全にそういうイメージですよね。彼がそれを脱却してかつてのような栄光を掴む日は果たしてやってくるのか。そうなったらなったでまた借金しそうな気がしないでもない。
それはともかく、本作のいつもと違うところはニコラス・ケイジに絡んでくるニコケイガチ勢大富豪・ハビの存在です。自分の誕生日パーティに100万ドルも支払ってニコケイ本人を呼び寄せ、「キモかったらすまない」と謝るほどのニコケイグッズを部屋いっぱいにコレクションしている。これは確かにキモい。しかし愛せるタイプのキモさです。キモカワイイと言ってもいい。演じているペドロ・パスカルが「この映画を観て観客が気に入るポイントはどこですか?」と訊かれて「僕だね。僕が大好きになると思う」と自信満々に答えているだけのことはあります。
内容についてはこれ以上触れませんが、ニコラス・ケイジファンなら間違いなく楽しめる作品なので安心して劇場へお出かけくださいと言っておきます。ただ…ニコケイに負けないくらい「パディントン2」とかいう映画が推されてたのが気になりました。当然私はそんなの守備範囲外なので未見なんですが、観れる人は多分事前に観ておいた方が良いかと思われます。それくらい重要な存在感でした。後からでも見るべきなんかなー…
↑このニコケイクッションとか一体どこに需要があるんだ?とずっと疑問に思ってましたが、ああいう人が買うんですね。ニコケイガチ勢のことをなめてました。
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