「シン・アナコンダ 捕食領域」 感想 森のミサイル大爆発

概要

原題:大蛇/Snake

製作:2018年中国

発売:ニューセレクト

監督:リン・ツェンハオ

出演:ファン・カイルン/ジャン・ユエ/シー・メイリー


生物学者リン・チーはワンホン社の斎藤会長に「復活島」なる無人島への同行を依頼される。そこにはかつてリン・チーが学説で唱えた万能薬"命の果実"があるらしく、ガンに侵された斎藤社長はそれを治療に使おうとしていたのだ。だが、復活島では巨大なアナコンダが果実を守っていた…


予告編

感想





「パンデミック・エクスプレス 感染無限列車」の監督による新作。

といいつつ製作は感染列車よりも前の作品ですが。



78分という短い尺の中で凶暴なピラニアの群れや巨大食虫(食人)植物、巨大アナコンダ、超巨大アナコンダと様々なモンスターとの戦いをこれでもかとぶち込んであり、テンポの良さもあってかなり楽しめる部類の中国映画です。



ただ、毎度ながら個性という点では相当に薄い。貧乏学者の主人公が大企業の会長に依頼されて無人島へ向かう導入は何度見たことやら。彼らに同行するのは護衛の傭兵部隊、スタイリッシュでワイルドな戦闘スタイルの女戦士、ヒロインポジの清純系女医、そしてこの手の中国モンパニに毎回のように出てくるお笑い担当デブ。特にこいつは役者すら毎回同じなので「またお前か!!」と思わず声に出てしまうほどです。テンプレートにもほどがあるだろと言いたくなるくらい同じようなメンツが勢揃い。ここまでくると誰がどのような死に方をして、誰が生き残るのかという点も容易に予測できてしまうのである意味安心感はあります。




メンツもですが今回はモンスターのバラエティに富んでいるところが「メガ・クロコダイル」に特にそっくりかな。似たような巨大食虫植物もいるし、もはや使い回しを疑うレベル。脚本とかモンスターのCGとか。もしかしてロケ地も毎回同じなのではないか。中国製ヘビ映画もむやみにたくさんあるので、そこら辺からも使い回しているような気がしないでもない。



とはいえエンドロールで流れるメイキングを見ているとものすごく真面目に仕事しているように見えるので、実はそんなことないのかもしれませんが。たまたま他の作品とかぶってしまっただけなんでしょうか?



そんな本作中で唯一個性が光っていたのは「森のミサイル」なる仕掛けです。仕掛けというかその島には熟すると大爆発を起こすという物騒な木の実がその辺の木にぶら下がっているのですが、飛び散ってトゲとか毒とかまき散らすんだろうなと思ったらまるで爆弾のように炎を伴って爆発するから驚き。しかもガンガン誘爆するっていう。これが自然に成る木の実とは…。別に飛んでいくわけではないので名前は森のミサイルというより森のダイナマイトとか森の核兵器とかでいいような気がしますが、あんな恐ろしいもんが大量に生い茂っている火薬庫のような森がよく今まで更地にならなかったもんだなあ…と思いました。



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