概要
原題：Breathe!
製作：2008年アメリカ
配信：ITN distribution
監督：Don Murray
出演：Tim Abell, Christopher Murray, Mick Murray
ダイバーのグループが海中の撮影旅行へ出る。だが複雑な海中洞窟へ迷い込んでしまい、酸素の尽きたダイバー２人が洞窟の奥に取り残されてしまう。残りのメンバーは何とか２人を救出しようとするが、その海域にはサメの群れが…？
本編
感想
私の家の郵便受けには「（ほぼ）月刊サメ映画」なる狂気に満ちた冊子が頼みもしないのに毎月のように押し込まれています。それに金を払っているわけでもなく、作っている方には何の利益もないのにですよ。仕方なく開いて見れば「徹底解剖！！ジョーズ・イン・ジャパン」だの「ブレット・ケリー 日本でバンドデビューを目指す」だの「独占インタビュー！ジェフ・カーケンドール」（※マーク・ポロニアの映画にいつも出ているオッサン）だのと到底正気とは思えない記事が羅列されているのです。こんなもんを既に10号も発行しており、悪ノリという範疇はとっくに逸脱しています。どうしてこうサメ映画マニアという人種はクレイジー極まりないのか。いいぞもっとやれ。
で、その最新号に本作の情報が載っておりました。なんでも2008年に製作されながら、これまでに配信もソフト化もされていなかった幻のサメ映画なんだそうです。これは私も全然知りませんでした。もしかしてマニアなら知ってて当然のタイトルなんでしょうか。私もまだまだサメ映画マニアとしては浅瀬で遊んでいるレベルということですかね。で、その幻のサメ映画がなんとこの度あのITN distributionの公式youtubeチャンネルにて無料配信が始まったとのこと。なんてニッチなニュースなんだ。日本語字幕は付いてませんがこれは観ないわけにもいきますまい。
内容の方は、ざっくり言うと前半が「海底47m」で、後半が「海底47m 古代マヤの死の迷宮」といった趣き。もちろん超低予算インディーズ映画なので、あくまでそんな雰囲気というだけですが。とはいえしっかり真面目に海に潜って撮影しており、実物のホホジロザメやオオメジロザメを間近で捉えているのでクソサメ映画感はありません。至極シリアスなサメ映画です。映画製作者が撮ったというよりダイバーが映画を撮ってみたという風に見えます。
前半部ではシャークケージダイビング中に起こるトラブルを回想しており、リアルホホジロが迫ってくる恐怖を描いています。実物だし超低予算だしで人が喰われることはありませんが、まあ贅沢は言いますまい。後半は水中の洞窟で遭難したダイバーの救出劇となり、そういうものとして観ればよく出来ているとは思うものの、サメはチラリとしか映らないためさすがにちょっとだるいです。ちゃんとした日本語字幕がないからというのもありますが。
ということで、超低予算とはいえ巷にあふれるクソサメ映画よりは全然真面目で観られる出来栄えなので、マニアの方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
コメント