概要
原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey
製作:2023年イギリス
配給:アルバトロス・フィルム
監督:ライズ・フレイク=ウォーターフィールド
出演:クレイグ・デヴィッド・ダウセット/クリス・コーデル/アンバー・ドイグ=ソーン/ニコライ・レオン/マリア・テイラー
高校を卒業したクリストファー・ロビンは都会の大学へ通うため、プーさんやピグレットを森に残し出て行ってしまう。食べ物をもらえなくなったプーさんたちは生きるためにイーヨーを喰らったことから人間たち、特にクリストファー・ロビンを激しく憎むようになる。その後、ロビンは婚約者を連れて森へ帰ってくるが…
予告編
感想
原作の児童小説の著作権が切れたところを英国クソ映画界の超大物スコット・ジェフリーに目をつけられ製作されてしまったホラー映画。まさか「itn distribution」のロゴを劇場の大スクリーンで目にすることになろうとは…。
しかしそんなんでも「あのプーさんが殺人鬼に!?」というインパクトはあまりにも強く、客入りはかなり良いようで既に続編製作すら決定しています。スコット・ジェフリー & itn 作品が劇場でヒットしているというわけのわからない状況に私も動揺が隠せません。
ところで「あのプーさんが!?」などと驚きつつ、私はプーさんの小説もディズニーアニメも全然まともに観たことがありません。私の中でプーさんの思い出と言えば10年以上前に熱中した「くまのプーさんのホームランダービー」しかないのです。しかない、と言ってもこれはかなり印象に残っているゲームですが。やったことない人はぜひプーさんの仲間たちが投げてくる嫌らしい魔球の数々をご覧になってみてください。
そんな人間からすると、プーさんたちが殺人鬼化した原因にまず驚きます。クリストファー・ロビンが食べ物を森に持って行かなくなっただけで飢えてイーヨーを喰ってしまうとは…。プーさんたちがそこまで自活能力ゼロの他力本願なケモノだったとは知りませんでした。あと彼らは異種交配の末に生まれたバケモノみたいな説明でしたが、原作もそうなんですかね。いや、そんなわけないよな…
その辺の経緯がアニメで説明され、ノコノコやってきたクリストファー・ロビンと婚約者が襲われるプロローグの部分が一番面白い。というか面白いのはそこまで。あとは、森へ遊びに来た若い女の子たちが被り物をしたデブに襲われていくという、どこにでもある単なる安いスラッシャー映画になってしまいます。
それでもPG12のわりにはけっこうグロいし、itnとスコット・ジェフリーが絡んでいるわりにはそこそこ観られる内容のスラッシャーではあります。おそらくですが itn もスコット・ジェフリーも知らないような無垢な観客が暴動を起こすほど酷い出来ではないと言えるでしょう。これには私も一安心。
とはいえプーさんたちの標的となる若い女の子グループは本当にただの殺され役でしかなく、ドラマ的なものはほとんどない。単なる出オチの一発ネタでしかないのです。もう大してやることないだろうに、これでよく続編まで作ろうとしてるなあとその貪欲さに感心します。続編にはティガーとかランピーとかオウルとか出てくるんですかね。彼らが原作キャラなのかディズニーオリジナルキャラなのか知りませんが。まあ、今回は巷に溢れる配信スルーのスラッシャー映画よりはだいぶ楽しめたのでヨシとします。
コメント
私の行った劇場も結構客入りが良くてびっくりしました。プーさんが殺人鬼になるというインパクトはそれだけ大きかったんですね。観客のうちどれくらいがアルバトロス、itn、スコット・ジェフリーの悪行を知った上で見に来てたんでしょうか…
>ボスイヌさん
itnのロゴは予告編の時点で見えていたんで、事前に覚悟ができていたのは不幸中の幸いでした。けどほとんどの人は itn もスコット・ジェフリーも知らずに見に来てるような気がしますねえ。まあアマプラの会員数は1500万人くらいいるらしいので案外 itn の知名度は高いのかもしれませんが、最近アマプラでもitn作品見かけなくなりましたからね。