概要
原題:Meg 2: The Trench
製作:2023年アメリカ・中国
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
監督:ベン・ウィートリー
出演:ジェイソン・ステイサム/ウー・ジン/クリフ・カーティス/ソフィア・ツァイ/ペイジ・ケネディ/セルヒオ・ペリス=メンチェータ
ジョナス・テイラーはジウミン率いる海洋調査チームと共に、マリアナ海溝の奥深くへと潜る。だが、そこには複数のメガロドンだけでなく恐るべき古代生物が潜んでいた…。
予告編
感想
ついに「MEG」の続編が公開されたので、私も当然初日の夜に全速力で観に行って参りました。
時間の都合でIMAX3Dや4DXではなく通常の2Dになってしまいましたが、それでもこれは凄い。ヒット作の続編というとショボくなりがちなんで期待しすぎないようにしていたんですが、そのハードルは軽く飛び越えてきました。前作以上にスーパースペクタクルなモンスターパニックぶりにはもう大満足というほかない。
いや、そうは言っても途方もなく荒唐無稽でツッコミどころ満載でアラがありまくりなんですけどね。AIに脚本書かせたのかと思うレベルで。また前作同様、原作で日本人だったポジションが中国資本によって中国人に改変されているのも確かに不満ですが、まあこの際そこもスルーしておきましょう。そんな細かいことを気にしながら観るような映画ではございません。
話の大筋は前作とほぼ一緒で、
ジェイソン・ステイサムと海洋調査チームがマリアナ海溝の何とか層を超えて深く潜ったら、そこにはメガロドンの群れやら古代生物やら悪党やらがいてさあ大変というもの。ありていに言えば敵の数と種類が増えただけなんじゃないかな。食べ物に例えると、前作が牛丼メガ盛りで、本作はそこにウニとイクラとアイスクリームを乗っけたようなもんですかね。
前半が深海探索アクションアドベンチャーで、後半がリゾート島でのモンスターパニックといった構成。潜水艇が破壊され、潜水スーツのみで深海の底を徒歩移動しなければならない中、メガロドンやわけのわからん恐竜に襲われる展開は相当にスリリング。そのうえ人間の悪党までもが足を引っ張ってくるからたまらない。ここまで絶望的なシチュエーションもそうそう見られるものではないですよ。
…が、その一方でステイサムがあまりにも強靭すぎて安心感の方が勝ってしまっているのも否定はできません。特に、水深7600mのはずなのに普通にスーツ脱いで生身で泳いでいるシーンはさすがにおいおいイカンでしょ!?と言わざるを得ない。だってその直前に仲間のスーツが壊れて一瞬で圧死している場面もありましたからね。ステイサムは生物学的にヒトですらなかったというのか。なんかもうこの「モンスターズ」という副題の中にステイサムも入っているというかむしろその筆頭であるような気がしてなりません。
なので、舞台をリゾート島に移して展開される後半の怒涛のモンスターパニックも、「古代怪獣メガロドン&巨大モンスターどもを退治するステイサム」というより何だか「生態系の頂点ステイサムに挑む巨大モンスターたち」みたいな風にも見えてくる始末。あんだけデカいメガロドン3匹に対して至極当たり前のように単身で出撃するステイサムが異常すぎる。一体何なんですかあのハゲは。しかも悪党どもに狙われながらですよ。というかあの悪党たちもメガロドンのリスクをガン無視してひたすらステイサムを追っかけて来てる時点で大概頭おかしいよ。
…ま、別にそれがいけないというわけではなく、それはそれで楽しすぎるのでOKです。エクスペンダブルズ4も楽しみですなあ。
メガロドンだけでなくわけわからん小型恐竜&ジャイアントオクトパスもこれでもか!これでもか!としつこいぐらい暴れまくるし、それに対抗するウー・ジンとかクリフ・カーティスといった濃いおじさんたちの奮闘もどえらく濃厚。それはもう充実したモンスターパニックぶりに私も大歓喜です。モンパニと言えば大抵やっすいジャンク映画ばっかしなので、たまにこういう超リッチなやつが出てきてくれるともう本当にうれしくなるんです。DJのはるか先を走っていたはずのリガスが次のカットではなぜかDJの後ろにいるとか、そういう細けえことはどうでもいいんです。
肝心なのは生物と生物がどれだけ全力で殺し合っているかということであって、その点については近年まれにみるほどの充実度でしたので私はこの上なく満足です。せっかくだから来週はIMAX3Dか4DXでもう一度鑑賞しに行こうかなと思います。
余談ですが、前のブログでも書いた通り「MEG」シリーズの原作小説は現在第8作まで存在します(8作目は今年刊行予定?)。
2作目は「ザ・トレンチ」で3作目以降のタイトルはこのような感じになっています。
MEG: プライマル・ウォーターズ (2004)
MEG: 地獄の水族館 (2009)
MEG: オリジンズ (2011)
アマゾンになし。
MEG: ナイトストーカーズ (2016)
MEG: ジェネレーションズ (2020)
MEG: 煉獄 (2023)
アマゾンになし。
これだけ原作のタマがあるんだからこの際もう全部映画化してしまえばいいと思うんですよ。年1作のペースでもいいよ。「地獄の水族館」あたりでステイサムが降板して著しく低予算化しそうだけど。それはそれとして原作小説もぜひ全て読みたいので、角川さんには早急に邦訳版の出版に取り掛かっていただきたいところです。原書のkindle版は上に貼った通り日本でも普通に買えるみたいだけど、そんなの読めるほど英語力ないしなあ。
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