概要
原題:THE BOOGEYMAN
製作:2023年アメリカ・カナダ
配給:ウォルトディズニージャパン
監督:ロブ・サヴェッジ
出演:ソフィー・サッチャー/クリス・メッシーナ/ヴィヴィアン・ライラ・ブレア/デヴィッド・ダストマルチャン
母親を事故で亡くしたばかりの姉妹は、家の中に何か恐ろしい怪物が潜んでいることに気が付く。それは、セラピストの父親を訪ねてきた男が語っていた怪物”ブギーマン”なのか?
予告編
感想
スティーブン・キングの大昔(1973年)の短編小説「子取り鬼」(「深夜勤務」収録)の映画化作品。
私もその短編集は読んでいるはずですが、学生時代のことなのでさすがに忘れました。
今アマゾンで見てみたらプレミアついてるみたいですね。書庫のどこかに埋もれているはずだから探してみようかな?
で、内容の方はものすごく地味で真面目で小粒な印象の作品です。
平日の夜とはいえ19時台なのに観客は私の他に3人しかいない寂しさ。まあ、この素っ気ないタイトルでは客もそうそう入らんだろうなとは思いますが。
本作のモンスター”ブギーマン”は家族を亡くして悲嘆に暮れる家庭に入り込み、散々怖がらせた揚げ句一家全滅まで追い込むという非常に胸糞悪いやつ。ホラーとしてはジャンプスケアがうるさすぎてややストレスがたまります。前フリが丁寧なのはいいけど、いちいちッダーーン!!ッッッドバァーーーン!!とデカすぎる爆音でビックリさせないでほしい。
また、一見オカルト現象全開のバケモノと物理で殴り合うアメリカンなドタバタバトルが展開されるので若干戸惑います。ブギーマンて霊的な存在じゃなくてナマモノなの??っていう。「血が出るなら殺せる…」みたいなセリフもありましたしね。お前はプレデターなのかと。どうでもいいけど妹のローキックがやけにスピーディで威力高そうだったのでそれを姉ではなくブギーマンにお見舞いしてあげたらどうか、などと思いながら観てました。
以下ネタバレあり
…なんですが、あれは別に霊的な存在でもリアルクリーチャーでもなく、「母親を亡くした家族の心痛そのもの」を表現していたようですね。ヒューマンドラマをホラー風に見せられてる感じがしました。だからいかにも殺され役みたいなムカつく腐れ女同級生がブギーマンに襲われることもないし、「実はブギーマンの脅威は去っていなかった…」みたいな定番のオチにもならない。主人公セイディがブギーマンを倒して母親に別れの言葉を告げるシーンは感動的です。ホラーといえばふざけたものや残酷趣味に走っているものも多い中(それはそれで良いが)、本作は人間の内面を丁寧に描写した真面目で良質なホラー映画だと思いました。
コメント
>切り裂きシンザさん
今だと1000~2000円くらいで売れるっぽいですよ。
キングの本だしそれなりの数が出回っているはずだとは思うんですけどねえ。