「宇宙戦争 ロンドン壊滅」 感想 最終兵器・俺の脇の下

概要

原題:War of the Worlds: The Attack

製作:2023年イギリス

発売:プルーク

監督:ジュナイド・サイード

出演:サム・ギティンス/アルハジ・フォファナ/ララ・レモン/レオ・スター


イギリスの大学で天文学を専攻しているハーバーたち3人組は、ある日宇宙から飛来した塊を調べようとする。だが、その中にはタコ型エイリアンがおり、彼らの殺人兵器トライポッドが出現。その場にいた野次馬は焼き尽くされ、ハーバーたちは何もできず逃げ惑うことしかできない。


予告編

感想



パチモンではなく、ウェルズの原作を忠実に再現したイギリス映画とのこと。



まあ…名作とはいえ19世紀の小説を忠実に、しかも過去に巨匠が大金をかけて映像化したことがある作品を今さらまた超低予算で作って見せられても、そりゃあ面白くはないです。身も蓋もない話ではありますが。わざわざ今それをやるなら、何かこの作品ならではというオリジナリティを付加した方が良かったのではないか。



というか当然そういう要素が何かしらあるだろう…と思ってレンタルしたんですが、別に何もなかったという。あるいは英国紳士的には「アメリカ産の宇宙戦争など認めないよ」という気持ちでもあったんでしょうか。



それはそれで理解はできるものの、すいませんやっぱりどう見ても楽しめるポイントがないです。主人公たちがあまりにも何もしなさすぎて。逃げ惑うシーンも十数秒くらいしかないし、事態のわりにやけに陽気でのんびりしており非日常感もない。明らかに日常の延長の一コマです。それどころか彼らは火星人の侵略を傍観すらほとんどしてないのではないか。



ところどころでトライポッドによる人類襲撃がそれなりにスペクタクルな雰囲気で描かれはするものの、予告編をでっちあげるための最低限の分量があるのみで、それ以外は基本駄弁って時間を潰しているだけです。



中でもサイコな神父に捕まってすったもんだするくだりの退屈さがたまらない。そこも原作にある部分なんだろうなとは思うものの、どうしても意味のない尺稼ぎにしか見えない。いや、私には関心のない宗教的なメッセージがなんかあるんでしょうけどね。



オチも火星人が地球の細菌で勝手に自滅とそのまま。主人公グループは本当に何もすることなくぬるりと終わってしまうんですが、とにかくノリが軽いので


「俺の脇の下も火星人にはダメージが大きい…ってコト!?」


などとチャラけており到底ロンドンが壊滅した後のような空気ではなく、それでいいのか英国紳士的には…と思ってしまう作品でした。



「宇宙戦争 ロンドン壊滅」(Amazon Prime Video)



コメント

切り裂きシンザ さんの投稿…
へーこんな映画が作られてたんですね。1953年版の「宇宙戦争」は子供の頃TVで見た記憶がります、ジュブナイルの小説版も読んだはずです。1953年のやつは面白かった気がしますがなにぶん子供だったのでw でもラストはとても印象的でした。ちょっと調べたらトム・クルーズ版に便乗してアサイラムも2005年に同じ「宇宙戦争」を作ってますね、地雷臭がプンプンしますのでもし未見ならw もちろん私は観ません。
岩石入道 さんの投稿…
>切り裂きシンザさん

こちらの方は原作に忠実なのがウリなので小説や53年版と比較できる人が見たら少しは楽しめるのかもしれません。
アサイラムの2005年版は観たような観てないような…
アサイラムがまたやらかした2021年の「シン・宇宙戦争」なら観ましたけども
パチモンは他にも

「新・宇宙戦争」
「宇宙戦争ZERO」
「宇宙戦争2008」
「宇宙戦争バトル・オブ・ダークサイドムーン」
「宇宙戦争ファイナルインパクト」

などと色々ありすぎて何が何やら笑