「マルチバース・アルマゲドン」 感想 アサイラムオールスター大混乱

概要

原題:2025 ARMAGEDDON

製作:2022年アメリカ

発売:アルバトロス

監督:マイケル・スー

出演:マイケル・パレ/ジェイ・キャッスルズ/リンジー・マリエ/ジョセフ・マイケル・ハリス


アサイラム社の製作するクソ映画群がなぜか配信サービスで大人気となり、ランキング上位を独占するという途方もない異常事態が発生。それと同時に、アメリカと日本で巨大ピラニアやサメ、ワニ、ヘビ、ロボなどが襲撃してくる。


予告編

感想





アサイラム創立25周年記念作品。



小学生の姉妹がおばあちゃんにプレゼントされた「スネーク・トレイン」のDVDを見て「『スネーク・フライト』じゃないのかよ…」とガッカリしながらもそれはそれで楽しんでしまう冒頭のシーンでもう面白い。「俺たちは詐欺と紙一重のインチキ商売だけど、まさかマジで怒ってるヤツなんていねえよな!?」というアサイラムの心の声が聞こえてくるようです。



そんな腐れアサイラムのクソ映画がなぜか配信サービスで視聴者数が激増し、ランキング上位を独占するという未曽有の異常事態が発生。

「トランスモーファー」、「メガ・ピラニア」、「ジャイアント・オクトパス」「メガ・シャーク vs メカ・シャーク」、「vsクロコザウルス」、「鮫の惑星」、「ズーンビ」、「シーワールドZ」、「シックスヘッド・ジョーズ」、

そして「シャークネード」



まさに映画史上最大の危機。下手なモンスターが登場して暴れるよりもよっぽど面白い社会派サスペンスが作れそうなネタです。が、本作は過去のアサイラム映画に登場したその下手なモンスターがまとめて出現して暴れまくる方向。しかも、アメリカだけでなくお得意様の日本にもやって来てくれます。アサイラムは日本以外では嫌われてるとデヴィッド・マイケル・ラットも語ってましたしね…。



しかし25周年記念作品なのにそこまで予算を多く取ってるわけでもないのか、例によってアメリカの政治家・軍人・科学者数人が狭い部屋で議論している場面に尺を裂いています。いつもだとこのマンネリワンパターンにウンザリするところなのですが、本作の場合それが対策会議というよりただのアサイラム映画談義みたいになっていて実に楽しい。




シン・アナコンダをリピートする視聴者が!?」




なんだかんだ視聴者を楽しませている自負を持っているっぽいアサイラムでも、さすがにリピートまでされると驚くようです。



しかし当然賢明なる地球人がアサイラム映画をリピートするなどということがあるはずもなく、アサイラム映画を地球の史実と勘違いしたアホなエイリアンの仕業と判明。




「アサイラム映画をエイリアンが観てるって!?」

「宇宙一の高解像度で観てそう」




と言いつつ実際は宇宙一どころか地球人よりも低い解像度で観ていたために付け入る隙が生まれ…

というオリジナリティあふれるサイエンス・フィクションぶりに笑いが止まりません。



そんな作戦の指揮を執るのがあのマイケル・パレ大統領閣下なのもうれしい。実質的な主人公は彼の娘ふたりなので大した見せ場はないっちゃないんですが、せっかくのアサイラムオールスター戦なのに人間側に有名人がいるのといないのとでは大違いですからね。まあ、どうせならそこにエリック・ロバーツも入れてほしかったところですが。



本作はアサイラムのクソ映画に耐えてきた人ほど楽しめるのではないでしょうか。いや、耐えるどころか普通にアサイラムファンだよ!っていう人にとってはまさに夢のような作品でしょう。私は最近のアサイラム作品にいい加減辟易して離れかけてましたが、やはり何だかんだ目を離せない会社だな…と思い直しました。



「マルチバース・アルマゲドン」(Amazon Prime Video)


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