今年、健康診断の便潜血検査で2日とも陽性になってしまったので、イヤイヤながらも大腸内視鏡検査を受けることにしました。見て見ぬふりをしようか迷ったけど…1日だけならともかく2日とも陽性となると何かある可能性が非常に高いらしく、大腸ガンの可能性も否定できない。
大腸ガンは自覚症状がほとんどないので、放置していると悪い妄想がどんどん膨らんでいく一方で精神衛生上よくありません。
仮にただの大腸ポリープだって放っておけばガンに成長するかもしれないわけですからね…悪の芽は幼いうちに摘んでおかねば…
私は小さい頃からお腹が弱くて、アイスを食べると異常な高確率で下痢に苦しまされる子供でした。特にチューペットとソフトクリームは腹壊率100%だったのでものすごく食べたいのに思うように食べられず、トイレでこの世の全てを呪っていた記憶があります。子供にとっては夢のように美味い食い物ですからねあれは。血涙を流しながらソフトクリームを拒否していたんですよ私は。
30代前半くらいまではそんな感じでずっと腸弱人だったので、自分の腸には反乱分子が潜んでいるのではないか…という不安を抱えながら生きていました。まあ35を過ぎてからはだいぶ良くなり、ソフトクリームを貪っても腸が暴動を起こすこともなくなったのですが、密かに反乱計画が進行している可能性ありとなれば間者を放つしかありますまい。
一応この記事が実用面でも役に立つよう細かく書いていきますと、まず内視鏡を専門とするクリニックを適当に探して予約し、とりあえず初回の診察に赴きます。そこでいきなり尻にカメラを突っ込むわけではないのでまだ恐れる必要はありません。その日行われるのは問診と検査日の予約、腸を空にする手順の説明です。
私の場合、予約が混み合っていて1か月以上先の日付になりました。苦痛を承知で尻にカメラをぶち込んでくれと懇願する人がこんなにたくさんいるんだから世の中恐ろしいですね。食事の西洋化はそんなにも大腸ガンを誘発するものなのか。
検査は夕方からになったのですが、当日は大量の腸管洗浄液を朝の6時から2時間ぐらいかけて飲み、トイレにこもらなければならないとの話だったので有給を取りました。検査時間は短くても事前準備を含めると何だかんだ丸一日かかるということですね。
で、検査の2日前あたりから食事の内容に気を付ける必要があります。腸に残ってしまうような食物繊維はなるべく摂取を避けます。その辺気を遣うのが面倒なので、私は「ジャネフ クリアスルー大腸内視鏡専用検査食」なるものをアマゾンで購入しました。
検査用の食事だからマズイのかなと思ったけど、ビーフシチューとクラッカーは意外と美味かったですね。何なら検査と関係なくリピートしたいくらいです。他のはフツー。
ただ、女性やお子様ならともかく私にはちょっと量が少なかったので他に蒸しパンや魚肉ソーセージなども食べてしまいましたが。あまり食べなさ過ぎても「あすけん」でロースコアにされますのでね。よく見たら検査食には「増量タイプ」もあったのでそっちにすれば良かったなと。
それで前日の21時までには食事を終え、「ピコスルファートナトリウム」なる下剤15mlをコップ1杯の水に溶いて飲んでから寝ます。これは甘いだけでそんなにまずくはない。
問題はやはり当日朝に飲む腸管洗浄液「モビプレップ」です。
威風堂々とそびえ立つ2リットルの陣容。
どうでもいいけどなんでこう尻から液体が噴射する時の擬音みたいなネーミングになっているんですかね。モビプレップ。わざとなのか、成分由来でたまたまなのか気になります。
これは冷やしておいた方が飲みやすいとの話を聞いたので、前日に粉末を溶かして冷蔵庫に入れておきました。
しかしネットで見る限りこいつを飲むのがそれはそれは地獄のようにつらいらしく…味は「美味しくない濃いスポドリの梅味」だとか「こんなんゲロシャブ味やろ」だとか物騒な口コミだらけ。
それでも中には「美味い」「これで焼酎を割って飲みたい」などという好事家じみた口コミもわずかに散見されます。が、世の中にはバリウムをうめえうめえと喜んで飲む私の同僚のような変態も存在しますからねえ…
でもちょっとだけ「美味いかもしれない」という期待を抱いて飲んでみたわけですが、一瞬で打ち砕かれました。甘くなく、代わりに酸味と塩気とケミカル感が著しく強いスポドリ!途方もなくまずい!なんでこんなに濃い味なの!…まあ、純粋に味だけで言えば突発性難聴になった時に飲んでた「イソバイド」よりはマシではありますが…量がね…。いくら技術が進歩してもこういうクスリは美味い味付けにできないものなのか。
このゲロシャブ液を2リットルも、しかもコップ1杯につき10分もかけてゆっくりゆっくり味わって飲まねばならないのです。とはいうものの、そんなことが出来たのは最初の2杯だけで、あとはペースとか一切考えずにグビグビ飲んでました。まあトイレと往復しながらなので結果的には1杯あたり10分ぐらいかかっていたと思いますが。
6時からと言いつつ寝坊したので6時40分から飲み始め、8時半には終了。案外早い。トイレにこもると言っても腹が痛くなるわけでもなくサラサラ出るし、ゲロシャブ液が激マズイこと以外は特に苦痛もなく腸のデトックスができてよかったです。
そしてようやく15時半にクリニックへ。鎮静剤を使うので車は運転できず、駅まで3km歩きます。絶食状態なので微妙にしんどい。到着したら受付を済ませて穴あきパンツに着替えます。
事前にすごく長い針で点滴を打たれるのですが、私の腕になかなか直線の長い血管が見つからず、刺した後にグリグリされたうえ別の箇所に刺し直される憂き目に遭いました。ちなみにどうしてそんな長い針なのかというと検査中もしたままなので動いても取れにくいように、との話でした。
そしていよいよ大腸検査に入りますが、その直前に鎮静剤を入れられてから2~3分も経たずに意識が消失。気が付いたら全て終わって1時間が経過した後でした。尻にカメラをぶち込まれている間の記憶も苦痛も一切ございません。
素晴らしい…
まさか鎮静剤を使った大腸検査がこれほどまでにラクなものだったとは…!!
正直大いに感動しました。これなら大腸検査を恐れる必要など何一つありません。いや、モビプレップの不味さだけは恐ろしいけども。
ちなみに結果の方は、盲腸の近くにポリープがひとつあったので切除したとのことでした。
ガンではないけど病理検査に出して結果は二週間後に。それ以外はきれいなものだと。反乱分子なんていなかったんだ…。
はー…実に安心しました。
しかしお会計は約2万円とちょっと痛い。
日帰り手術でも保険が下りないのは先日サブブログに書いた通り。
タクシーを使うのは諦め、絶食状態の身体に鞭打ってまた最寄り駅からトボトボ3kmほど歩いて帰りましたとさ。
コメント
投稿いつも楽しみにしてます!ご自愛ください
お気遣いありがとうございます。見た感じそんな悪いものではなさそうだったので既に気を抜いております。
ともあれ、お大事に。
ありがとうございます。たった10mmでも内視鏡では切除できないんですね。つくづく小さいうちに発見できて良かったです。それにしてもまさか切り裂きシンザさんの大腸に悪性腫瘍があったとは…。
やっぱり多少苦痛があろうが検査はしておくもんですねえ。その辺の過去記事見てきましたが、やっぱりシンザさんもあのモビプレップ飲んでたんですね。10年経ってもパッケージが同じでした笑 あれがもうちょっと少量になるか味が向上すればなー…
そういうことだったんですか。軽く開腹手術するのかと思ってました。
それならラクだしますますそんなに大腸カメラにビビることはないんですねえ…
とはいえホラー好きでも鎮静剤なしではムリムリ
鎮静剤で眠ってる間に操作ミスされるリスクを減らせるとはいえそれでもムリ
胃カメラは鎮静剤なしでやってますからそれで充分です笑