では、2023年の謎映画・クソ映画を総括します。
まず、今年は昨年の「スケアリーアトラクション」や「サンクチュアリ」ほどカリスマ性あふれる謎クソ映画は正直ありませんでした。ガッカリするやらホッとするやら。私のレベルが上がりすぎたというのもあるかもしれません。私はもう長いこと激安インディーズ謎クソ映画ばかり眺めているので、心の表面が角質化して硬くなっているのです。もはやちょっとやそっと鋭利な謎クソ映画に触れたくらいでは血を流さなくなりました。
そんな感じで重傷は負わなかったとはいえ、それなりに厳しかった謎映画クソ映画は大量に配信されました。平均としては不作ではなく、普通に豊作と言っていいレベルです。
ちなみに今年は有料のまま無料にならない謎映画が多かったので、日本でも誰も観ていなくて私しか感想を書いていない謎映画が結構あったりします。みなさんもっと積極的に金をドブに捨てましょう。
そこに、ルンバが
ルンバ欲しくなる度:★★★★★
これは一応ちゃんとした商業映画のようです。が、相当ひどかった。コワそうな雰囲気だけは演出できてなくもないけど、ただの動かないマネキンひとつでホラー映画一本でっちあげるのはやっぱり無理がありすぎます。ルンバで2回も脅かしてきたことが一番印象に残るっていう。どうせなら次回作は開き直って「キラー・ルンバ」の製作をお願いしたい。
全ての幸せがコイツに食いちぎられる!
携帯通じるでしょ度:★★★
結婚式場になぜかワニが乱入!
とてもツッコミどころ満載の低予算ワニ映画。
と言っても、これでもクソ映画揃いのイギリス製ワニ映画界の中では比較的ましな方だったりします。
アマプラゲーム/クソ映画召喚
座りっぱなし度:★★★★★★★★★★
いくら低予算とはいえ座ってしゃべってるだけの映画はつらいよ!
勝手に戦うな!!
ちょっとはゲームしろ度:★★★★★★★★★★
ブルース・ウィリスが孤島での人間狩りゲームのターゲットに!
…と思ったら狩る側のハンターチームが速攻で仲間割れをしまくり、ブルース・ウィリスはノホホンと森を散策しているというわけのわからないにもほどがある内容で世界が騒然。メジャーな俳優が出ている劇場公開作ではぶっちぎりのアレっぷりだったんじゃないでしょうか。興行収入も1万ドルちょっとだったとか。大富豪のお遊びか、税金対策で作られたとしか思えない。
パイプの詰まりが気になったら
パイプユニッシュ使え度:★★★
一般家庭の排水管周りに謎の人喰いモンスターが潜んでいた…っていう発想自体は悪くないと思うんですよ。私は人喰い映画が大好きなので、それが何であれ人喰いシーンさえ見せてくれれば喜びます。その点本作は冒頭で唯一最大の見せ場が終わってしまったのがあまりに痛すぎた。消化試合みたいな気の抜けた本編がつらかった。
すべて解決!パンツ兄弟!
パンツかぶれ度:★★★
記憶の転送云々よりもパンツ兄弟に気を取られてしまった作品。というか名前がこんなでも見た目はごく普通の兄弟だったんで初見で気づかなかったんですが。向こうではパンツ兄弟なんて名前もありふれたものなんですかね。
不確かな脚本
カナダの奥様これでええんか度:★★★★★
今年観たマダム向けテレビサスペンスの中でもトップクラスに粗々しかった作品。得てしてこの手のテレビ映画は表面上の体裁さえ整っていればあとはテキトーでいいやというノリなもんですが、ここまで雑なのはさすがにそうそうないです。
デビルの天使
散歩長い度:★★★★
パイパーはパイプに入れ。アメリカ人もそんなしょうもないダジャレで笑ったりするんだなあ…くらいしか感想が出てこなかった虚無謎映画。日本で言えば「菅(人名)は土管に入れ」みたいな感じでしょうか。思ったより相当ひどいな。大してやることなさそうなわりにはジュラシック・シャーク並みのお散歩シーンなど無駄に長くてつらい。
事実はクソ映画より奇なり
実話度:★
実話を謳ってるわりには普通に超常現象が起きるし、アジア人蔑視が色濃くて不愉快な内容。ひたすらつまらないうえにこれといった見せ場も何一つ存在せず、あまり言うことがない。
コーンは健康を蝕む
コーン野郎度:★★★★★★★★★★★★★
ネタにも何にもならないという意味では今年最も純度の高かったクソ虚無映画。
アサイラム映画は好きな方だけど、アサイラムの純ディザスターパニックはもう金輪際観たくないと思わされてしまった。本作が特別ひどいというよりは今までの積み重ねで「いい加減にしろ」となってしまった感はありますが。ジャレッド・コーンのやっつけ仕事ぶりがね…。
90分間無駄にするなら、塗料の乾燥などもっと見るべきものがあります。
ちょっとくらい姿を見せろ
せめてどっちか出せよ度:★★★★★★★★★★
こんな邦題だからして有名な宇宙人同士の対決でも拝めるのかと思いきや、どちらも0.1秒たりとも画面に映りさえしないという超絶肩透かし映画。サメデターですら一応サメは映るんだぞ。邦題は配給会社の勇み足とはいえ、それを抜きにしても陰謀論ネタのTVスペシャル未満の出来で、そこまでこのネタに興味のない人間にとってはくそつまりません。
サメも出てくるよ
まだやんのか度:★★
色んな意味でクソを極めたZ級映画。クソ過ぎて十周回って楽しくなるのも否定はしないけど続きすぎではないか。こんなシリーズが年に2本もリリースされるなど世も末だと言うほかございません。でも本当は4作目以降もまだ続編があるのに我が国では強引にファイナル扱いで打ち切られた点をみると、あのコンマビジョンも一応まだブレーキの手入れはしているようです。
学校に命が宿る音だわ!
どんな音だ度:★★★★★★★★★★
日本ではわけのわからん激安ホラー動画が異様に大量に配信リリースされてますが、これはそのアメリカ版みたいなクオリティの謎クソ映画。恐ろしくひどいんですが、やりたいこと自体は分かりやすいのでまだ許せなくもない方かもしれません。ただ「学校に命が宿ったような音」が「サメの音だわ!」並みに理解不能で困る。
もらった馬の口は見るな
アマプラもワケあり告知してくれ度:★★★
心霊事故物件ものですが、虚無的すぎて地獄のように体感時間が長い。せいぜい不動産屋?が窓から落とされた時にナックルボールみたいにブレながら落下した変なシーンくらいしか見どころがない。そのへんのクソ映画マニアでは捕球するのも一苦労の難物と言えます。
地獄の人間ウィジャボード
サバ読み度:★★★★★★★★★★★
もうね、タラ・リードが少女呼ばわりされてたことしか覚えてないくらい虚無的なんですよね。いけにえになってるのはわざわざ金払って観てる私の方です。
まるで焼き魚のようにな!
戦うわけないよね度:★★★★★★★★
サメ映画じゃなかったら多分発狂してます。
DVDを改変してしまう力
ポロニア濃度:★★★★★★★★★★
映像だけは一応マトモになったものの、中身は相変わらずグオオなポロニア監督作。それでもある種の微笑ましさと愛嬌に満ち満ちているのはいつも通り。保護したくなるタイプのクソ映画です。それにしても、コンマビジョンのローカライズ、マーケティング、パッケージングの方があらゆる面でツッコミどころ満載すぎて本編そのものよりよほど面白くなっちゃってますね。すごい商売だ。
悪夢のタッグ
英国クソ映画界の本気度:★★★★★★★★★★
今年最強の謎クソ映画をどうしてもひとつ挙げろと言われたらこれになるかな。いや、内容自体は1位にするほどつらい映画ではないんだけど(?)、瞬間的な破壊力は一番大きかったんです。なんせあのスコット・ジェフリーが監督し、あのルイーザ・ウォーレンがドリルで脳を貫かれるシーンは英国クソ映画マニアにとってあまりにインパクトが大きすぎました。おまけにitn印ときたら、これは今年の英国においてはクソ映画・オブ・クソ映画と呼ぶにふさわしい逸材でしょう。
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