「DASHCAM ダッシュカム」 感想 迷惑系配信者 VS 高速糞漏らし婆

概要

原題:DASHCAM

製作:2021年アメリカ/イギリス

発売:ハピネット

監督:ロブ・サヴェッジ

出演:アニー・ハーディ/アマル・チャーダ=パテル/アンジェラ・エナホロ/セイラン・バクスター/ジェマ・ムーア


迷惑系配信者のアニーはコロナ禍のロックダウンにウンザリし、イギリスへと飛ぶ。そこでかつてのバンド仲間の家に忍び込むも追い出されたアニーは、車を盗んで勝手にウーバーイーツの依頼を受けようとする。だが、それは食べ物ではなく謎の老婆を運んでほしいという依頼だった。大金につられて引き受けたアニーだったが、それはとんでもない怪異の始まりだった。

 

予告編

感想



「ズーム」「ブギーマン」のロブ・サヴェッジ監督作。

何だかんだ全部観てます。



人間のクズ道を極め品性下劣なラップが大得意な超迷惑系配信者アニーが、妖怪糞漏らしフライング噛み付きダッシュババアとバチバチやり合うスプラッター汚物POV超大作(79分)。



こう書くとめちゃくちゃ面白そうだし実際まあアニーのむやみにタフな珍獣ぶりが面白いんですが、いくらなんでも画面がアグレッシブに高速振動しすぎるうえにババアは糞を漏らすわアニーはゲロを噴射するわセリフは下品すぎて耳が腐りそうだわでとてもじゃないけど正視に耐えない作品です。特に後半はほぼよそ見せざるを得ませんでした。こういうのはせめて吹替がほしい。



怪異そのものはそこまで目新しくはないです。知らない老婆を運ぶ依頼を受け、車に乗せたら糞を漏らされてしまう。なぜか口がホチキスで閉じられていたから外してあげると急に噛み付いてくる。いきなり空を飛ぶ。車と同じスピードで走って追ってくる。オカルト的な怪異というよりはモンスターパニック的なノリになってますが。



そんな謎のババアモンスターとやり合うアニーのキャラが本作最大の見所。現代社会の病巣から産み落とされた忌み子のような存在・迷惑系配信者。人間として必要なものが色々と欠落した現代のモンスターであり、無神経極まりないバカだからこそ謎のババアモンスターと互角に戦えるという構図が笑えます。



アニーは首あたりの肉をメリッと喰いちぎられたのにその後大して気にしていなかったり、車の中で暴れまくるババアモンスターにやられ放題かと思ったらいつの間にか拘束完了していて「ああーウザかったなコイツ」とばかりに一服し出すあたりが何気に大物っぽくてアレ。常識の欠落した人間はリアルモンスターより強いのか。ある意味含蓄を感じなくもない場面です。



ただ私が楽しめたのはせいぜいそこらへんまでで、クライマックスはドッカンドッカン派手な怪異が起こりまくっているような気配は感じるものの、あまりにも激しい画面揺れに酔いまくりでかなり気分が悪くなってしまい、全然楽しむどころではありませんでした。絶賛してる人多いみたいだけど、みんなよくこんなの平気で見られるもんだなあ。私は映画はなるべく大画面で楽しみたい派ですが、本作はスマホの画面で眺めるくらいがちょうどいいと思われます。



「ダッシュカム」(Amazon Prime Video)



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