「トイ・シャーク」 感想 微笑ましさ直撃サメぐるみ

概要

原題:Doll Shark

製作:2022年アメリカ

発売:コンマビジョン

監督:マーク・ポロニア/アンソニー・ポロニア

出演:ダニエル・ドナヒュー/リバー・ダルトン/ナタリー・ヒムルバーガー/タイタス・ヒムルバーガー


噂の人食いザメを仕留めたカービーの父は、その歯を流行りのサメのぬいぐるみに埋め込み、離れて暮らすカービーへと送る。

母と暮らすカービーはプレゼントに大喜び。

しかしすぐに相性が合わないベビーシッターのライラとの生活がスタート。

やがてカービーにいじわるをするライラに悪魔のサメぐるみは突如牙を剥きはじめ…。

(↑コンマビジョンHPより)


予告編

感想



みんな大好きマーク・ポロニア大先生の新作サメ映画。

今回は息子さんのアンソニー・ポロニアとの共同監督作品のようです。



そういえばこの前、マーク・ポロニア監督作品の5作品+おまけの3作が収録された

『マーク・ポロニア』フィルムBOX








などという途方もないDVD-BOXが発売されたのですが、


さすがの私もこれをポチることは出来なかったことをここに懺悔させていただきます。











だってこれ全部単品で買ってきてますもん…

ただでさえ場所取ってるのに、なんでまたボックスで全部まとめてダブリ購入せにゃならんのよ…

(※追記 ジュラビと猿の帝国は勘違いで持ってませんでした。本当に申し訳ない)




…というのが正常な神経を持つ映画好きとしての反応だと思うんですが、私のXのタイムラインにはこのボックスの到着を悦ぶポロニア信者の声がぞくぞくと流れてきており戦慄しました。当然彼らはダブリ購入しているのでしょう。なんという驚くべき狂気のカルト的集団なのか。






…それはさておき本作についてですが、

ブレット・ケリーの「パペット・シャーク」に触発されたか本作もサメのぬいぐるみを用いたZ級ホラーとなっております。

まず目を引くのはジャケ裏のこのおびただしい警告。







「ジャケット詐欺注意」には笑わせて頂きましたが、冷静に考えると言うほどジャケ詐欺要素がないっていう。コンマビジョンのジャケはわりと昔から正直な部類ですよね。「つらくても目を離すな!」とか書いてた時もあるし。



で、中身の方は。

まず、またしても画質の悪さに驚かされます。いや「シャークラブ」で少しはまともな画質になったと思ったらなんでまたこんなに劣化してるんですかね!? 1965年頃に撮影されたと言っても通じるような映像ではないか。これDVDで観たけどブルーレイだとどうなってんの? 一体何を使って撮影しているのか知りたい。まあそれでも「シャーキュラ」よりはましかもしれんけど。



画質の悪さはさておき、内容的にはマーク・ポロニアの仕事とは思えないほど真っ当なホラー映画となっており驚きました。これは息子のアンソニー・ポロニアが良い影響を及ぼしているのか。



サメの怨念(?)が宿ったサメぐるみが次々と人を襲って血祭りに上げて行く。このシンプルさが逆に良い。変にひねると「シャークラブ」みたいにわけわからなくなるので。キルカウントの多さもうれしい。わりとちゃんとした演出で人喰いシーンを盛り上げようとした雰囲気があり、小さな子供が観たら怖がれるかもしれないといった雰囲気が感じられないこともない。これは素晴らしい。



前作あたりからBGMにも気合が入っているように感じられ、本作でもなかなか耳に残るオリジナルテーマソングを聴かせてもらえます。そこで名前だけ出てくるジェフ・カーケンドールに笑い。ポロニアファミリーは本当に仲が良さそうで微笑ましいです。




…まあ、とはいえあくまでいつものポロニア映画より数倍楽しめる」という程度のレベルに留まっています。

別にすごく面白いわけじゃない。

思ったほどダルくないというだけ。

だが、それがいい。

仕事で疲れて帰ってきた夜にあんまり真面目な映画なんて観たくないのです。

このどうしようもないほどのゆるい空気に浸かりたい時もある。

誰にも邪魔されず、気を遣わずクソ映画を観るという孤高の行為。

この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の癒しと言えるのである。

そんな風に思いました。








「トイ・シャーク」(アマゾン)




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