「デッド・アゲイン」 感想 世界各国首脳集結詐欺ゾンビ映画

概要

原題:Dead Again

製作:2021年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ(のはず)

監督:スティーヴン・M・スミス

出演:ドナルド・トランプ/ボリス・ジョンソン/エマニュエル・マクロン


イギリスの田舎町リトル・ピッチフィールド警察署に赴任してきたプロディ。ベテランのクーパー巡査部長は映画オタクのポンコツ警官。だが、彼らの知らないところで異変が起きていた。村に遊びに来ていた男女のカップルが、森でゾンビのような男に出くわし…。

(↑U-NEXTより)


予告編

感想



2022年クソ映画オブザイヤーでぶっちぎりの大賞を受賞した「スケアリー・アトラクション」の監督による超絶Z級ゾンビムービー。例によってこれも itn印 です。常人には想像もできないほど徹底的にぶっちぎったクソっぷりでマニアの精神を崩壊させたあの偉大なる英国紳士が今回は果たしてどんなクソ映画を作り上げたのか!?



しかし、その前にまず出演者のリストからしておかしい。

なぜドナルド・トランプボリス・ジョンソンエマニュエル・マクロンと超大国のトップ3名が揃って出演していることになっているのか。




…と思ったら、冒頭のテレビで彼らの演説する映像が使われているというだけ。まあそりゃそんなことだろうとは思いましたけども。詐欺とか釣りにしても珍しいパターンです。



…で、本編の方は、イギリスの平和なド田舎に赴任してきた若い警官が地元の映画マニアの警官と組み、なんだかわちゃわちゃしながらゾンビ騒ぎに立ち向かう的な話。



「スケアリー・アトラクション」はSAWやら何やらのパクリ的なゴミでしたが、こちらは「ホット・ファズ」をベースにパクリつつ「ショーン・オブ・ザ・デッド」「宇宙戦争」の要素を無造作に混ぜ込んだような感じになっております。全部イギリス映画が元ネタですね。エドガー・ライトがこれを見たら何と思うことか。案外喜んだりするかもしれませんが。



それはさておき、クオリティとしては一応「スケアリー・アトラクション」よりは圧倒的にマシな出来ではあります。なんせ驚くべきことに舞台となる洋館が「スケアリー・アトラクション」と全く同じ建物なので比較がしやすい。そんなとこ使いまわすのかよという突っ込みはこの際さておき。一応わらわら湧いてくるゾンビを銃でバッタバッタ打ち倒すシーンが存在するので、ゾンビ映画として最低限の体裁は何とか整っていると言えなくもなく、その時点でスケアトよりは絶対にマシと断言はできます。無意味なボクシングの試合を使いまわしたりもしませんしね。



とはいえそれは食べ物で例えればウデムシの佃煮よりはチャドクガの蒸し焼きの方がまだ食えるな…と言っているようなもので、本作もかなりひどいことはひどいです。75分しかないのに何度も意識を失いました。とてもじゃないけど399円も取って見せていいとは言えないレベル。100円にしろとは言わないけどせめて299円でしょうよ。



クソ映画あるあるですが本編は短いのにエンドクレジットがやたらと長く、ゾンビ役の人たちもちゃんとひとりひとり独立したキャストとして紹介されます。

というか役名が


「ALIEN CREATURE #29」


という風になっているので、実はゾンビではなくエイリアンの尖兵か何かだったようです。

しかもただ番号振ってあるだけでなく


「BOXING ALIEN CREATURE」とか

「BATH  ALIEN CREATURE」とか

「SMART  ALIEN CREATURE」とか


やたら細かい。

ボクサーのゾンビなんて出てたかな。


まあ、クソ映画を撮る監督はたいてい人柄は良いと聞くので、スティーヴン・M・スミス氏もおそらく相当気配りのできる優しい人なのではないでしょうか。それならこんなクソ映画に金を払ったとしてもそれほど後悔はしなくても良いのではないか。そんな風に思いました。




「スケアリー・アトラクション」(Amazon Prime Video)

アマゾンに関連商品が何もないのでこれでも貼っておきます。



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