「ラビット・ガール　裸の女」　感想　凶暴ウサギ軍団 vs 市の職員

概要

原題：Mujer conejo/Rabbit Woman

製作：2013年アルゼンチン・スペイン・ベネズエラ

配信：トランスワールドアソシエイツ

監督：ヴェロニカ・チェン

出演：ヘイン・チウ/ルチアーノ・カセレス/グロリア・カラ

ブエノスアイレスの中華街で建築物の検査を行う市役所職員のアナは、中国人マフィアの経営するクリーニング店に入る。アナはそこが違法建築物であると判定するが、マフィアからの嫌がらせを受け一旦故郷へ帰ることに。だが、そこでは食用ウサギが異常繁殖したうえ凶暴化し、家畜や農地を荒らす怪物の群れとなっていた…

予告編

感想

今月から配信開始のアマプラ謎映画。299円。

邦題とサムネでは単なるセクシー系サスペンスにしか見えずスルーするつもりでした。が、一応あらすじをチェックしてみたところ意外にも凶暴化したウサギの群れが襲ってくるかのような文言が見えたので鑑賞してみました。

ちなみに本編を観た後で言わせてもらうと、この邦題はさすがにおかしいです。主人公アナはただの市の職員であり、本編中でも単に彼氏とのベッドシーンが2分くらいあっただけで特に重要な場面でもない。これに対して「裸の女」なんてサブタイを付けてしまうのはいかがなものか。世の中の女性は服を着ていなければ大抵裸です。

まあそれはそうと、本筋の方は凄まじいインパクトがあります。ウォシュレットのボタンを押したら熱湯が噴射されたくらいのレベルで驚きました。前半は至極真面目だし中盤は中だるみして半分寝てたんだけど、終盤がおかしい。ラストなど1ミリも想像できなかった衝撃の真相に脳がバグること請け合いですよ。アマプラはこういう超絶怪珍作をサラリと配信し出すからあなどれん。

あらすじは上に記した通りですが、まず一見ではブエノスアイレス中華街に巣食う中国人マフィアの横暴をリアルに描いたシリアスなスリラーのように見えます。それと並行して食用ウサギを捌きながらウサギの頭をウサギに食わせる野蛮な中国人の様子も映し出され、そこらへんはリアルというか本物のウサギっぽくて観ていてゲンナリします。

それでこの作品、どういうわけか要所要所で実写からアニメに切り替わるんですよね。どうも実写では表現不可能なシーンはアニメで代替しているようなんですが、別に実写でも問題なさそうな場面までアニメ化しているのがよく分からない。デジカメに映した証拠動画を再生する場面なんて周りはアニメなのにデジカメの中だけ実写映像になっており違和感ありまくりです。

アナが中国人マフィアから逃げて故郷へ帰ってくると、凶暴化したウサギの群れの存在を知ることになります。どうも中国人がウサギのエサにウサギの頭を使ったのが原因らしい。もしや南米ではそれが真面目な社会問題になっているのか？　ウサギは共食いさせればするのか？

そんな可愛らしい凶暴ウサギは実写でも一応少し見せてくれますが、ほとんどはアニメになっています。しかし目を血走らせた人相の悪いウサギの群れがそこら中をウロウロしているものの、アナたちとマフィアとの戦いを見守っているばかりでほとんど動こうとしない。この映画におけるウサギの役割は一体何なのか。ウマは襲っていたけどそれだけなのか。

で、なんだこれなんだこれと散々思わせてからのあの常識を超えた衝撃的すぎる真相ですよ。実はオスメント君の方が幽霊だったくらいの素っ頓狂なオチですよ。真剣に凝視してたら伏線とかあったのかしら。いや、こんなわけわからん南米映画に金を払いたくない常識人からすればオチも全部書いてくれと思うかもしれないけど、そんなことは絶対にできません。文章で読んでもそこまでビックリしないと思いますしね。あれはあのアニメ映像で見てもらわないといけません。ということで、気になった人は是非あの衝撃を味わってお口をアングリさせていただきたいなと思います。

「ラビット・ガール　裸の女」（Amazon Prime Video）