「インフィニティ・プール」 感想 眉なし女の異常な横暴

概要

原題:Infinity Pool

製作:2023年カナダ・ハンガリー・フランス

配給:トランスフォーマー

監督:ブランドン・クローネンバーグ

出演:アレクサンダー・スカルスガルド/ミア・ゴス/クレオパトラ・コールマン/トーマス・クレッチマン


売れない作家のジェームズは、妻と共に孤島のリゾート地を訪れていた。そこで自分のファンだという女性ガビと出会い、彼女の夫も含めて意気投合する。だが4人でドライブした帰り、ジェームズはうっかり現地人をひき殺してしまう。危うく処刑されかけるジェームズだったが、その島ではカネさえ積めばクローン人間を代理処刑させることが可能だという…


予告編

感想



金さえあれば刑罰はクローン人間に被せることが可能なリゾート島で、モラルが完全崩壊した白人様たちが好き放題羽目を外しまくる気持ち悪い映画。



ブランドン・クローネンバーグ監督作はセレブと同じ病気にかかりたいという気持ち悪い願望を描いた「アンチヴァイラル」はそこそこ楽しめたので本作もいけるだろうと何の予備知識もなく劇場へ行って観たんですが、最近の疲労の蓄積もあって半分くらい寝てしまいました。勝手に90分くらいだと思ってたらたっぷり118分もあったしなあ。多分最初と最後の30分ずつしか観ておりません。



ということであまり楽しめたとは言い難いものの、親子そろって気持ち悪い映画ばかり撮ってるだけあって本当に気持ち悪さは群を抜いてましたね。心理的にもビジュアル的にも。「アンチヴァイラル」で口に変なギミックを装着している映像が意味不明で大変キモかった印象が残ってるんですが、本作もクローンを製作する時に口に付ける器具がよく似た嫌なキモさです。



舞台となるリゾート島では、過失だろうと何だろうと人を死なせた奴は被害者の家族によって仇討ちされる決まり。しかし処刑されるのはクローン人間でもOKなので主人公ジェームズも自分自身が被害者の子供によって滅多刺しにされる様を楽しむことができるのだった。



実におぞましい話ですが、本体とクローンが同じ価値だとすればアリかもしれませんね。ただ、その場合処刑されるのは本体であるべきかなとは思います。クローン側からしたらたまったものじゃないですからね。そういえば昔、分身を粗末に扱いすぎた忍者が分身に復讐されるゲームがあったのを思い出しました。分身だって生きているんだぞ。分身は死ぬために生まれてきたわけじゃない。本体も分身も命の価値は同じなんだと。そして分身と本体が同じ価値なら…本体はいらない。それが真・分身の術。



そんな冗談はさておき、舞台設定とかジェームズの内面の変化とか、そういうところよりもミア・ゴス様の眉毛のないお顔と性格が一番恐ろしかったですね。本来批判の対象であるセレブな白人様の傲慢さを凝縮した結果、悪役としては非常に魅力的になってしまったという。「X」の時はそんなでもなかったけど、まさかここまで狂ったオーラを出せるお方だったとは知りませんでした。


小一時間は居眠りしてしまったせいもあり非常に浅い感想になってしまい申し訳ございませんが、本作についてはまあこんなところです。


コメント

匿名 さんのコメント…
脚本書いたり総指揮したりでやたらと精力的だし、
変な社会運動系に目覚めなきゃいいんだけど

眉毛はファッションじゃなく地だそうですけど、
ナメック星人(ニコチャン大王)をホーフツとさせますね
鳥山先生…

ポスター絵が、下水に落ちてさあ大変の「マンホール」っぽい
岩石入道 さんの投稿…
>2024年4月10日 23:39の匿名さん

脚本とか総指揮はいいけどエキストラの頭を蹴りつけて訴えられたというのはアレですね。演技だけでなく本人も強烈な人格をお持ちなのかもしれません。
ちなみに本当に眉毛がないわけではなく色の関係で見えないだけらしいです。
「イノセンツ」の女の子もそんな感じでちょっと怖かったですね。