「ブラッディ・バースデイ」 感想 変態にもほどがある

概要

原題:Clownery

製作:2020年イタリア

配信:Green Light

監督:エロス・ダントナ

出演:カテリーナ・コルチンスカ/セレナ・P・パルミサーノ/アレックス・ダントナ


誕生日パーティに母親が出られず悲しんでいたエマを楽しませるため、二人組のピエロを呼んだ父親。だが、パーティの後に途方もなくサイコな事件が起きてしまう。エマはそのトラウマから毎年誕生日になるとピエロの幻覚を見ては苦しんでいた。そして迎えた21歳の誕生日は友人が無理に祝おうとしたためか、エマの精神状態はいつにも増してヤバくなっていた。


予告編

感想



珍しくまたトランスワールドアソシエイツ配給ではない itn 印のホラー。

しかもイタリア映画(みんな英語しゃべってるけど)。

レンタル価格がいつもより高く、400円もします。



内容は、幼い頃の誕生日にとんでもない事件を目の当たりにしておかしくなったエマが、21歳の誕生日に友人が企画したパーティのせいで著しくおかしくなるというもの。



イタリア製の殺人鬼ホラーということで、ネオ・ジャーロ的なものを意識して作っていると考えられます。話は支離滅裂気味で登場人物は変態サイコ野郎ばかり、映像と音楽を刺激的にして個性を出そうとしている感じ。安っぽすぎるので上手くいっているとは言い難いけど、やりたいことは理解できます。



まず、冒頭で見せられる誕生日の事件があまりにもサイコすぎて結構ビビりましたね。かわいい娘の誕生日パーティなのに母親が出られず、傷心の娘を少しでも楽しませようと二人組のピエロを呼んでくれた父親。ピエロコンビの漫才で喜ぶ娘エマ。

いや~なんて心優しいオヤジなんだ。



…と、素直に思うじゃないですか。

ヤバイのはピエロの方なんだろうなと思うじゃないですか普通。



しかし、現実は非情である。とかいうレベルじゃなくて、パーティが終わった後、ピエロをトイレに案内したオヤジは唐突に拳銃を突き付け


「俺を楽しませろ」


とピエロにチ〇コをいじらせる。何でいきなりそうなる? 屈辱の泣き顔を晒す気の毒なピエロ。快感に白目を剥くオヤジ。お前は一体何をやっているのか。しかもそれを幼いエマに目撃されるのだから、あまりにも救いようがない。こりゃあトラウマにならないわけがないぐらいの異常体験アンビリバボー。



ほんでエマが21歳の誕生日にピエロが現れて身の回りの人々を殺していく、というジャーロ的にはオチまで透けて見えるお決まりの流れになっていくわけですが、そんなエマの携帯には執拗に変態オヤジからの着信が。当然ガン無視を決め込むエマ。だがついには直接自宅まで押しかけてくる。



あんな異常極まりない痴態を見せつけておいてまた会おうとは…どんだけ恥知らずな変態オヤジなんだよと。しかし、


「あの日のことを説明したい!」


と悲壮な顔で叫ぶので、実は何かやむを得ない事情があったのかもしれません。いや、あるはずなのです。人は理由もなくあんな変なことはできない。しかし、いざエマが聞く体勢に入ってもこのオヤジは


「説明が難しい」


からの


「僕は酔ってた」

「魔が差したんだ」

「仕事でストレスを抱えていたし」


っていう、別に説明でも何でもなく純然たる言い訳3点セットしか出てこないのが逆におもしろい。単なるストレスであれほどの変態行為を働けるとは何という逸材なのか。



ちなみに変態はこのオヤジだけではなく、猫が映ってるだけのビデオを見て性的に興奮している男とか他にも何やかんや変態は出てくるのである意味本筋そのものよりもそちらの方が面白かったりします。さすが監督の名前がエロス・ダントナというだけのことはある。まあ変態的なだけで別にエロいわけではないんですがね。



「ブラッディ・バースデイ」(Amazon Prime Video)


コメント

匿名 さんのコメント…
>傷心の娘を少しでも楽しませようと二人組のピエロを呼んでくれた父親。
>ピエロコンビの漫才で喜ぶ娘エマ。
>
>いや~なんて心優しいオヤジなんだ。

コンビってところが物悲しい
さだまさしの「翔べイカロスの翼」ぐらい物悲しい
岩石入道 さんの投稿…

>2024年7月7日 1:24

別に一人でも話的に何の問題もなかったような気はします
いや何人でも問題しかないか笑