「ええっ? キメたカニ」 感想 カニは食っても粉食うな

概要

原題:Cocaine Crabs from Outer Space

製作:2022年アメリカ

配給:NISHIKURA-EX

監督:チャック・マギー

出演:チャック・マギー/キャット・アンドリュース/ブレント・G・ベイカー/ダグラス・ホフマン/ボーボーリン


惑星カニカマから2匹の宇宙ガニがなんかの目的で地球へやってくる。あいにく万能翻訳機は故障していたが、それでも彼らは初めて出会った人類にコンタクトを試みる。だが、マヌケな若者たちは悪ふざけで宇宙ガニにコカインをプレゼントしてしまう。そして、ハイになった宇宙ガニたちは愚かな人類の頸動脈を次々とハサみ始めた…


予告編

オリジナル


日本版


感想



6/21の夜、


「中野ダンキチ えっ?ええっ?サメカニ合戦 札幌の変 ~パレシネ放送400回アニバーサリーイベント~」


に参加してきました。



5/17の販売開始時、これは速攻でチケットが売り切れるに違いない!たった28席しかないしな!…と鼻息も荒く購入(3500円)したところ、まさかの2番目でした。しかも直前になってもまだ余っているどころか当日券まで買えるという有様に動揺を隠せない。北国のZ級映画マニア共は一体何を尻込みしているのか。たったの15人くらいしかいなかったんだけど…?



とはいえトークショーでも言ってたけど平日の18:15集合はたしカニちょっと厳しい。先日顔見知りになったLettuce702の方々も来てましたが、わざわざ店をお休みにしてまでやってきたとか。さらには根室から7時間かけて来たという猛者までおり、いつにも増してサツゲキがマニア濃度の高い空間に。



私の職場もその日に限ってなぜか嫌がらせのように全員揃って残業しており、非常に帰りにくい雰囲気でした。まあ仕事よりカニ映画の方が大事に決まってますから鋼の意思で抜けてきましたがね。それでもかなりギリギリでした。



…で、まずは「えっ? サメ男」の上映から。もしサメ男も初見だったらとてつもなく濃い一夜になっていたところですが、こちらは3年前に鑑賞済みなので私にとっては食前酒のようなものです。にしても、まさかサメ男を再見する日が来ようとは…。まあ、サツゲキの大スクリーンで目撃するサメ男もこれはこれで非常に貴重な体験。こんなもん上映してるの日本くらいでしょうからね。後ろの方にいた方々は初見が多かったようで、絶え間なく笑いがこぼれておりました。やはり「えっ?はんぺん男」は最高に愉快なクソサメ映画ですな。DVDの発売を心待ちにしております。



そしていよいよ道内初上陸の「ええっ?キメたカニ」

言うまでもなく「コカイン・ベア」にインスパイアされた作品群のひとつ。

まあコカイン・ベアよりはキラー・トマト味を感じる内容でしたが。



わたし的には「カニシャブ(仮)」からの「シャブカニ合戦 カニミソの覚醒」という邦題が実に素晴らしかったのでぜひともそれで押し通してほしかったのですが、本編を見るとこのくらいのゆるいタイトルがちょうど良い感もあり。



中野氏は事前のトークショーで「カニ映画史上No.1」とおっしゃっていました。そんなに事前のハードルを上げていいのか!? 果たして本当に「地獄のシオマネキ~巨大蟹のしたたり~」「ビッグ・クラブ・パニック」といった過去の名珍作を超えるクオリティなのか!?




先に言ってしまうと、尖り具合では確かに過去一の出来栄え。このうえなくふざけてるし猛烈に手抜きだけど、意外とちゃんとしてる(?)。このデコボコ感がマニアにはたまらない。



なんせ惑星カニカマからやってきた関節すらないプラ製オモチャのカニがカタカタ震えてカニ語を話し、アホな若者に白い粉をぶっかけられて暴走、次々と町の人々をハサみ殺していくのです。この冒頭は正直はんぺんがチェーンソーを持って走ってくる映像よりもインパクトという点では上だと言わざるを得ない。



増殖してからはカニを引っ張るテグスを隠すことすら放棄し、めんどくさい時はポイポイとカニを放り投げるだけ。カニのオモチャを服につけた群衆がパニックを起こしている様子は正にカニマゲドンと呼ぶにふさわしい惨状。



そんなカニの群れによるオーケストラ演奏&サーカスのシーンはマトモな神経を持った人なら腰を抜かすこと請け合いです。確かにこんな斬新なカニ映画は見たことがない。しかもスクリーンで…。



謎の殺人事件を捜査することになるボンクラ刑事と相方のペットショップ店員による漫才はサメ男よりも尺が長い分だけ間延び感は否めないか。しかし、キメたカニたちを騙すためにカニの着ぐるみを着て練り歩くシーンの瞬間最大風速は強力無比。まあそりゃキラートマトでもショーン・オブ・ザ・デッドでも似たような場面はあったけど、甲殻類偽装のインパクトは大きい。あとクソデカい飴食べたい。



ここまでふざけ倒したからにはオチはどこまでネジの緩んだネタを披露してくれるんだろうか!?とワクワクしていたら、アメリカ人にしか通じないジョークで締められ何のこっちゃと観客全員ポカーン。あれはさすがにいただけない。…まあ、チャック・マギーさんとやらもこんなもん外国で上映されるとは思っていなかったに違いないので仕方ありませんけどね。エンドロールのコメントが面白かったのでヨシとしておきましょう。



コメント

ボンバー・ヘッド さんの投稿…
ええっ? キメたカニ、配信が始まったら見たいと思います。
ちなみにこの映画の監督、海外のレビューで「あのBoardwithanailinitman(板に釘が刺さってるやつマン)の監督!」と言われていたので気になって調べたら、DVDの販売記録はあってもIMDBに登録すらされていない謎映画でした。
岩石入道 さんの投稿…
>ボンバー・ヘッドさん

どうもこんばんは。
これ配信されることあるのかなー、サメ男もごく稀にしかされてませんから
されても期間限定の可能性が高いかもしれませんよ。
板に釘が刺さってるやつマン!?それは検索しても全然情報ないですね。
tiktokには予告があるみたいだけど、どんなんだろ…
匿名 さんのコメント…
>STAFF
>監督・脚本:チャック・マギー
>プロデューサー:チャック・マギー
>エグゼクティブプロデューサー:チャック・マギー
>デフォルトエグゼクティブプロデューサー:シャンテル・マギー
>編集:チャック・マギー
>
>CAST / 役名 チャック・マギー / チャーリー・リース

「プロデュースって何だろう」という気分にさせる鉄板構成
来週から大須で上映するそうですが
岩石入道 さんの投稿…


>2024年7月7日 10:14の匿名さん

Z級によくあることですが、だいたい全部ひとりで作っていると思われます。
観る機会はかなり限られてるので大須に行けるならぜひ。