「スカイ・モンスター 上空からの襲来」 感想 今、飛ぶ鳥を落とす勢いの itn

概要

原題:Sky Monster 

製作:2023年イギリス

発売:エクリプス

監督:アーロン・ウィンサル

出演:ベッツィー・ブルー・イングリッシュ/マリー・ケリー/エバ・バートン/サラ・T・コーヘン


シンディは21の誕生日に父親から南米への旅行をプレゼントされる。友人たちと共にプライベートジェットに乗り込み、楽しい旅になると思われた。だが、バミューダトライアングル上空に差し掛かった時、巨大なタコ(イカ?)が襲来する。


予告編

感想



誰もが興奮必至の鉄板ジャンル(※配給会社調べ)である航空パニックにモンスターパニックを電撃合体させたハイブリッド・パニック映画。







★制作会社は、今乗りに乗っている『プー あくまのくまさん』を制作したITN STUDIOS!!









本作、あろうことか製作が itn であることをウリとしてアピールしています。そこは本来何としても秘匿しておくべきポイントなのに。かつてここまで無謀なマーケティング戦略があっただろうか。itn は何だかんだコアな信者を抱えているマーク・ポロニアとかブレット・ケリーなどとはわけが違うんですよ。よほどいかれた好事家の中の好事家じゃないと食い付きませんよ。ただただ意味の分からない激安クソ映画を垂れ流しているマッド・カンパニーなんですから。まあごくまれに微妙な当たりが混じっていることもあるし、良くも悪くもプーさんホラーで名が売れてしまったからというのが大きいんでしょうが。



とはいえ、本作は一応ソフト化されただけあっていつもの配信スルー作よりはだいぶましな出来栄え。確かにこれは itn にしてはそこそこいけてる部類です。itn にしては。トランスワールドアソシエイツさん買い負けしたのかな…



全然飛んでるように見えないジェット機の中はいつもの itn 的安っぽさを感じますが、巨大タコ(イカ?)モンスターがジェット機に絡み付くCGはいつになく具合が良い。触手が操縦席やトイレに自由自在に侵入してくる様には突っ込みを入れたくなるものの、モンスターパニックとしてはそれほど間違っていない。



女の子を捕えてパクパク食べる映像をバッチリ見せてくれるのはかなり好印象。私のような人喰い映画マニアにとっては、モンスターが人を喰っているシーンさえあればたとえ激安粗まみれのクソ映画でもそれなりに満足できてしまうものです。



航空パニック的には助けに来た旅客機が主役の機体と並走し、ドアを開けて「ロープを渡すから伝って来い!」と叫ぶシーンが最大の見どころにして突っ込みどころ。上空1万メートルを高速飛行中にそれはジョン・マクレーンでもちょっと難色を示すのではないか。というかロープを渡すのも不可能だし、それ以前にドアを開けた時点でみんな吸い出されてしまいますが。



まあ、そういうところも含めて愛すべきC級ジャンク映画だったかなと思います。



「スカイ・モンスター 上空からの襲来」(Amazon Prime Video)



コメント

匿名 さんのコメント…
>航空パニック的には助けに来た旅客機が主役の機体と並走し、
>ドアを開けて「ロープを渡すから伝って来い!」と叫ぶシーン

ファイナルデスティネーションもびっくり

特に意味もなく秘密諜報員を身バレさせるマスゴミの極致、
「カンダハル突破せよ」をジェラルド・バトラー目当てで見始めたら、
文句言うヒロイン役へじじい配置した『家族が一番』的クソ映画、
やってられっかと気が滅入っていたのがこれでちょっとなごみました
岩石入道 さんの投稿…
>2024年6月15日 20:49の匿名さん

アメリカ映画はだいたい家族愛がねじ込まれてますからね…
しかしジェラルド・バトラーでも飛行中の隣の機体に移動するのはちょっと骨でしょうね。