「スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック」感想 モロコシ・モンスター大収穫祭

概要

原題:Children of the Corn

製作:2020年アメリカ

発売:アメイジングDC

監督:カート・ウィマー

出演:ケイト・モイヤー/エレナ・カンプーリス/カラン・マルヴェイ/ブルース・スペンス


ネブラスカ州のある田舎町。そこはトウモロコシ産業で食っている町だったが、大企業の口車に乗って使い始めた除草剤や遺伝子組み換えでうまくいかない状態だった。大人たちは政府からの助成金目当てでトウモロコシの廃棄を決定するが、それに我慢ならなくなった子供たちは腐った大人たちを容赦なく血祭りに上げてゆく。


予告編

感想



スティーヴン・キングの短編小説「トウモロコシ畑の子供たち」の11度目の映画化作品。

監督は「リベリオン」の人。



原作小説は一応昔読んだことがあるんですが、それほど印象に残らなかったのかほとんど覚えていません。そのわりに11回と異常なほど執拗に映画化されまくっているのは不思議です。よほどアメリカ人の琴線に触れる話なのか。その旧作映画もひとつくらいは観ているはずだけどやっぱり思い出せない。昔のキング原作映画はかなり雑な感じのビデオ映画多かったですからね。



本作もそんな古き良き(?)雑なキング原作ビデオスルー映画を思い起こさせるノスタルジックな雰囲気の作品でした。邦題にキングの名前を入れちゃってるのもそれっぽい。



トウモロコシが売りの田舎町で、バカな大人たちが助成金目当てにトウモロコシを廃棄しようとする。サイコな少女イーデンは子供たちを洗脳して狂気の殺戮カルト集団を作り上げ、大人たちを惨殺し全滅させようと色々やらかす。



大人はクソで、子供たちはサイコ。間に挟まれる17歳の女の子ブーリンが一応の主人公で子供たちの凶行を止めようとする話。が、元々異常なコミュニティなのか除草剤で人間もおかしくなったのか背景がよく分からず、感情移入できる人物も少なく、何となく話に入っていきにくい感じ。



いくらアメリカのド田舎とはいえ外界から隔絶されすぎてるのと、登場人物の服やら車やらが時代がかっているので、原作に合わせて1980年代あたりを舞台にしてるんだろうなと思って観てたらブーリンが急にスマホを取り出した時は驚きました。まさかの現代だった。とはいえスマホはすぐ使えなくなるし、結局やってることは80年代テイストそのもの。



12歳ながらプチ・ミザリーくらいの邪悪なオーラで大人を惨殺していくイーデンのカリスマ性はなかなか良いです。彼女の力でどうにか本作がクソ映画にならずに済んでいると言っても過言ではない。しかし、純粋なチャイルドホラーでは我慢できずにチープなモロコシ・モンスターを出してしまうあたりが実に昔の雑なキング映画っぽい。



まあそのモロコシ・モンスターも一応は大人を真っ二つに引き裂いたりとなかなか張りきった暴れっぷりを見せてはくれるのでそんなに悪くはないですが。しかしあの裂かれた人、唯一外部から来た人間なのに何の人物描写もなかったのがもったいない。その辺ちゃんとしてれば結構衝撃的なゴアシーンになったかもしれないのに。





「チルドレン・オブ・ザ・コーン5:恐怖の畑」(Amazon Prime Video)

↑なぜか5作目だけアマプラで配信中。


「スティーブン・キング アーバン・ハーベスト2」(Amazon Prime Video)

↑よく探したら4作目もあった。


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