「絶滅ウイルス 第一感染者」 感想  制御できないものを造るな

概要

原題:Extinction: Patient Zero

製作:2014年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョー・エッカルト

出演:コリン・ネメック/レベッカ・ブラムハーゲン/ニック・スティーヴンソン


ある研究所の安全室で目覚めた科学者と軍人。気が付いた時には閉じ込められていた。しかも、70分後にその部屋は爆破されるという。そこから出るためには、負傷して意識を失っている科学者シモンズだけが知るパスワードを入力するしかない。だが彼らは開発中の強力なウイルス兵器に感染した疑いがあり…


予告編

感想



今月からアマプラで配信開始のソリッドシチュエーションスリラー。

新作かと思いきや2014年製作とけっこう古い作品。

懐かしのコリン・ネメックが主演らしいので観てみました。



…が、部屋に閉じ込められた4名のうち、解除パスワードを知るコリン・ネメックはひとりだけ失神したまま後半まで目を覚ましてくれません。まあ別にいいけどさっさと起こせばいいのに。



ソリッドシチュエーションと言ってもソウ的なデスゲームではなく、「殺人ウイルス兵器に感染したかもしれないから隔離しておく」という至極真面目な趣旨。閉じ込められている方も主にウイルスを開発している科学者なので、そこまで取り乱す感じでもない。地味で落ち着いた雰囲気の作品です。



巻き込まれた軍人だけは何の施設か知らず、納得がいかない様子。そこで科学者が披露するウイルス兵器有用論はそこそこ説得力があります。


「核兵器は維持にコストがかかりすぎるし、たとえ核兵器を落として領土を奪ってもその土地はもう使えない。よってウイルス兵器こそ真の抑止力となり得るのだ」


とか何とか。100%管理制御できるウイルス兵器ならそうかもしれないですね。そうでないならやめれとは言いたいですね。現実のコロナウイルスも本作のような経緯で作られ、拡散したんじゃないかという気がしてきます。



本作で開発された画期的な人類絶滅ウイルスも結局は制御できなくなり、スタッフを閉じ込めなければならない事態に陥ってしまう。後半でやっと目を覚ましたコリン・ネメックがただ助かろうととするのか、それともウイルスの流出を防ぐために仲間もろとも自らを犠牲にするのか。見どころはそんなところです。



尺は短いし質も悪くなく、TWAのアマプラ配信スルー作品としてはそこそこ楽しめる方だったと思います。ただ、真面目すぎてひねりも笑いどころもあんまりない。ウイルス兵器開発者のリーダーっぽい人が寿司で食中毒になったとか言ってる場面くらいかな。



オープニングクレジットとエンドクレジットが妙にオシャレでかっこいいんですが、特にエンドクレジットの方は「セーヌ川の水面の下に」を先取りしたようなセンスでクオリティが高かったですね。アマプラだと「Next up」の小窓がくっそ邪魔臭くて字幕すら隠してくれて台無しでしたが。



「絶滅ウイルス 第一感染者」(Amazon Prime Video)


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