概要
原題:HUNTER HUNTER
製作:2020年カナダ・アメリカ
発売:プルーク
監督:ショーン・リンデン
出演:カミール・サリヴァン/デヴォン・サワ/サマー・H・ハウエル/ニック・スタール
人里離れた森の奥で暮らしていた猟師の一家。だが毛皮の値段は下がり、生活が厳しくなる一方。そんな中、獲物を狼に横取りされてしまう。父親ジョセフは狼狩りに出かけるが、何者かに惨殺された人間たちの遺体を発見する。森の脅威は狼だけではなかったのだ…
予告編
感想
森で暮らす猟師の一家に凶暴な野生の狼が迫るアニマル・パニック!…に、サイコ殺人鬼が乱入して三つ巴の殺し合いとなるハイブリッド・サバイバルスリラー。言うほど狼は出てこなかったけど。ニック・スタール、21年ぶりに見たな…
まず、水道も電気もガスも通ってない森の家に住む猟師一家の文明と隔絶された生活ぶりが興味深い。別に19世紀を舞台にした映画というわけではなく、いちおう現代の様子。アメリカには今どき本当にそんなワイルドファミリーが生きているというのか。21世紀になっても川で洗濯するアメリカ人が…!? 飲み水は川で汲んだ生水をバケツに溜めておいてそのまま飲んでたが大丈夫なのか。
妻アンの「私働くから街に家買おうよ、娘を学校に通わせようよ」という至極最もな訴えを却下する頑固親父のジョセフがかなりの変人に見える。まあ聞き入れたところでローンを組めるとは思えませんが。
家はボロくて汚いし、風呂なんて入れそうもないし、スマホもなければアマゾンプライムにも加入できない。狼だの殺人鬼だのと言う前に色々と心配になります。「山奥で自給自足生活」には漠然とした憧れがありますが、さすがに家族でこんな生活はイヤだ。
そんなところに住んでいるのに、「狼が出たの!何とかして!」とビビッて警察に助けを求めに行くのがなんだかおかしい。森に狼がいたから何だというのか。北米の森ならむしろいない方がおかしいのではないか。
ただ、森と街の境目あたりに住んでいる人たちがクマの駆除を警察に頼んでいる描写もあり、そこはあまり他人事ではなくちょっと複雑。いや境目は仕方ないんですよ。街と森の間に空白地帯なんかなくて必ずどこかが境目になるんだから。もしこのブログの更新が途絶えたら、私がクマに襲われたとでも思ってください。
クマはさておき、不穏な緊迫感は漂いつつも話としてはわりと平坦なので中盤辺りは結構だるくなってきます。が、その代わりクライマックスの爆発力が凄まじくてビックリ。恐ろしく胸糞で、恐ろしくグロ。猟師として培ったあのスキルをあんなところで活かしまくるとは!? スキルというかあれが伏線だとは全く思いもしませんでした。
人生どこで何が役に立つものか分かりませんな。しかしあんなスプラッター全開な拷問久々に観たなあ。ホラー慣れしてない人が観たら確実にトラウマになる級。それでいてあの人の死に様は一切見せないのがかえってイヤな想像を膨らませる。胸がえぐられる。中盤までの退屈さを考慮してもお釣りの来る良い作品でした。
「デストラップ 狼狩り」(Amazon Prime Video)
コメント
お父さんが「あの野郎!」みたいな言い方してた気がするので。
あの結末への爆発力に圧倒されました!最高!
コメントありがとうございます。
狼はミスリードというか目くらましみたいな使われ方でしたね、宣伝でサイコ殺人鬼のことを隠してたらもっと驚いたかも?
結末はさすがエクストリーム(配給会社)が持ってくるだけあるなっていうエクストリームさでしたね!
サイコマンのことは予告で出さないほうが良かった気が〜予告で見せすぎたかな?
まあなんせエクストリーム(配給会社)らしいエクストリーム結末でよかったっす!
私は予告編は観てなかったんですが、ジャケやポスターでね…
まあ、楽しめたからいいんですけどね。
わりと近年稀に見るエグさでしたよ! タイトル詐欺…と言われるとこの映画も配給会社によっては「拷問女」とかつけられてたかもしれません。いや~でも本当は拷問シーン苦手なんですけどね。グロいの怖いからなあ~