概要
原題:Overlord
製作:2018年アメリカ
発売:ワーナー・ブラザース
監督:ジュリアス・エイバリー
出演:ジョバン・アデポ/ワイアット・ラッセル/ピルー・アスベック/マティルド・オリビエ/ジョン・マガロ
第二次世界大戦末期、ノルマンディー上陸作戦時。ドイツ軍の電波塔破壊ミッションを遂行するため、米軍の部隊がある街へと送り込まれる。だが、そこにあったのはただの電波塔ではなく、ナチスの極秘研究所だった。奴らは不死の人間兵器を開発していたのだ…
予告編
感想
公開当時にちょっと気になっていたものの、戦争ものだったのと微妙に尺が長くてスルーしてしまっていた作品。
切り裂きシンザさんのオススメで鑑賞しました。
なぜか今どこも配信してないからDVDを購入してしまいましたよ。
ストーリー的には何かの使命を帯びてドイツに侵入した米軍部隊がナチスの秘密兵器と戦う、ってことで「武器人間」みたいなお話でした。いや、武器人間に限らずめちゃくちゃ擦られてる設定ではあります。「スカイ・シャーク」だの「ドラゴン・オブ・ナチス」だの…
ナチスはどんだけ極悪非道に描いても構わないし、どんなトンデモ秘密兵器を繰り出してきても不思議ではない。それだけにボンクラ映画業界にとってはあまりに便利すぎるんです。サメの次くらいに。なので前述したような低予算のB級C級作品があふれているわけですが、そんな中本作はパッと見でもかなりの製作費がかけられており、それはちょっと反則だろうというくらいクオリティが高い。少年野球でキャッキャしているところにメジャーリーガーが乱入してきたような大人げなさと言っても過言ではありません(※製作費3800万ドル)
だが、その分確実に面白い。ナチ秘密兵器と直接関係ない戦争アクションシーンでもどえらい激しく本格的。普段戦争映画はあまり見ないんで余計そう感じるのかもしれませんが、化け物が出てこなくても充分スリルがあって恐ろしい。むしろもうトンデモ秘密兵器は要らないんじゃないかと思えてくるほどの緊迫感ですが、特に違和感もなく本格戦争映画からぬるりとホラー映画へと移行してくれる。しいて言えばただの一般女性がやたら強いところに若干ひっかかったくらいか。
ナチスは腐れ外道だけどその辺の市民は善人だったり、主役グループの米軍部隊も最初は嫌な奴らに見えて後半は良い面を出してくるといったバランス感覚がいいですね。その辺、ワイアット・ラッセルの存在感が際立っていた印象。
ナチスの秘密兵器には武器人間ほどのキャッチーさはなくて案外地味目なものの、異常にしぶとく戦闘能力は非常に高い。ただでさえ多勢に無勢、わずか数人のチームで数十人のドイツ兵と得体の知れない人間兵器がうごめく地獄の研究所で生き残ることができるのか。この絶望的なシチュエーションがたまりません。「悪魔のいけにえ」のトラウマを刺激してくる残酷表現もインパクト大。これは劇場で見ておけば良かったなあと思える良作でした。
コメント
これ良作ですよね、話的にはナチの悪党との対決という正統な感じなんですが、連合国軍側もナチに対しては結構非道だったりしてホラー度が高め。死亡フラグとかのお約束もちゃんと入れたりとホラー好きにはたまらない。ともかく気に入っていただいたようでよかったです。
あと2世が出るナチ関係の映画と言えば「コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団」にジョニー・デップの娘が出ています。こっちはかなりのバカ映画なのでお勧めはできませんw
これとよく似た「武器人間」も大好きなんですが、あれはPOVで酔いまくるわ、味方の人物描写はイマイチだわで安いがゆえの欠点も多かったのでその辺が全部解消されているこの映画が面白くないわけなかったですね! DVD買って損なしでした。
おすすめはできませんって何の振りですか笑
でもそれってなんかのスピンオフでしたよね、別の意味でハードル高いな~…
胸糞映画のスピンオフがおバカ映画っていうのも何だか不思議ですね。振りではない?ってことなのでまあ心には留めておいて何かのタイミングにでも観てみますよ。