概要
原題:Prey
製作:2024年アメリカ
発売:プルーク
監督:ムクンダ・マイケル・デュウィル
出演:ライアン・フィリップ、エミール・ハーシュ、ミーナ・スヴァーリ
アメリカ人医師などを乗せた小型飛行機がヨハネスブルグへ向けて飛行中、機体トラブルで墜落してしまう。何とか数人が生き残るが、そこはライオンやヒョウなどの猛獣がうろつく自然保護区だった…
予告編
感想
ゲオ独占レンタルの新作アニマルパニック映画。
久々にゲオに出向いてDVDを借りてきました。
こういったマイナーなアニマルパニックをローカライズしていただけるのは大変ありがたいのですが、こんなクソすぎる邦題を付けるのはいかがなものか。プルークさんは前にも長い邦題のホラー出してたけどそれがイヤでスルーしましたからね。こんなんで売り上げ伸びると思われても困るし!今回はアニマルパニックだから我慢できなかっただけですからね!
ただ、邦題もクソだけど原題も「Prey」と味も素っ気もない…というかそのタイトルの映画は腐るほどあるっていう。向こうの人、被るの気にしないの? 私が配給会社の人間だったら「ビースト:ザ・プレイ」とか「サバンナのいけにえ」とでもするかな…
出演者のライアン・フィリップとかミーナ・スヴァーリってわりと知名度はあるけど最後に観たのが15年前とかなんですよね。案の定どこにでもいそうな中年にしか見えなくなっており、ミーナ・スヴァーリの方は極めて雑な退場の仕方にも悲哀を感じます。
それはそれとして内容の方ですが、
ライオン
が
襲って
こないよ。
ただアホ共が揉めながら原野をウロウロしてるだけだった。
いや、まあ…
厳密に言えば、
飛び掛かってくるシーンが2回ありますが、
どちらもほんの一瞬のことであり、
その後の捕食シーンは全部省略されます。
こいつはひでえ!
っていうか、こうなると実は案外誠実な邦題なのではないかという気がしてきました。これは「人食いライオンのいる原野に放り出された件」なのであって、別にライオンが襲ってくるとは一言も言ってないのだから。
あくまでも放り出されただけ。
誤解した私が悪いんです。
…
…
…。
一応良いところもあることはあります。
この事態を引き起こす元凶となったパイロットのキャラクターはわりと好き。利己的な悪人でありながら一応それなりの良心もないことはなく、最後には人助けに目覚めていく。こういう内面の変化を描くストーリーは悪くない。他の人たちがどうしようもないグズばかりだったのもありますが…
ツッコミどころはかなり多く、全部挙げていたらキリがないので特にアレな点をいくつか。
飛行機の操縦席ならロックできるから安全だ!そこに籠城しよう!
となった時、「悪いな、ここは2人用なんだ…詰めても3人までよ」とひとりがあぶれることになります。が、「神に全て委ねる」と事あるごとにアピールする医師(主人公)が他人を押しのけてそこに入るのもなんか変だし、それ以前に3人ならわりと余裕があるのも北斗の拳の核シェルターを想起させます。どうみても4人とも入れるだろと。
ちなみに籠城中にライオンをさしおいて毒ヘビが侵入してくるという貴重なアニマルパニックシーンがあります。実質ヘビ映画です。
また、そこに武装したテロリストがやってきて襲われるシーンも異常に変。パイロットと医師を拘束もせずになぜか目の前でテロリストが二人とも昼寝を始めるという謎の展開。よっぽど寝不足だったのかな? 油断してるってレベルじゃないし銃撃ってもタマ出ないし何じゃこれコントですか?としか言いようがない。
あと、サソリが医師とパイロットの身体を這いまわるシーンがありました。そこは本物のサソリと使っているように見えるのでそこそこ緊迫感があって良いです。実質サソリ映画です。
さらに、最後の敵はハイエナでした。ライオンは一体何をしているのか。それにしてもハイエナのアップなんて初めてじっくり見たけど、首が長くて絶妙に気持ち悪いな…
実質ヘビ&サソリ&ハイエナ映画だったのは神の慈悲で許されるとしても、あのトンデモなラストには開いた口がふさがりません。
あんなひでえオチのアニマルパニックは初めて見たよ。
信心深い人なら感動するんでしょうか。わからん…
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