「エア・ロック 海底緊急避難所」 感想 深海フライトサメ付きプラン

概要

原題:No Way Up

製作:2024年イギリス

配給:ギャガ

監督:クラウディオ・ファエ

出演:ソフィー・マッキントッシュ/ウィル・アッテンボロー/ジェレミアス・アムーア/マヌエル・パシフィック/グレース・ネトル


州知事の娘エヴァは、彼氏と友人を連れてメキシコでバカンスを過ごすためその飛行機に乗り込んだ。だが飛行中にエンジンが炎上爆発、機体に大穴が空いた状態で海に墜落する。エヴァを含めた数人がエア・ロックに逃れ生き延びるが、機体は海底に沈んでしまう。そして、脱出しようにもそこは凶暴な人喰いザメがうろつく海域だった…


予告編

感想



「海底47m」製作陣によるイギリス製航空パニック沈没サバイバルサメ映画。

このキャッチコピーの「うまいこと言ってやった!」感は異常。

上映初日の朝一で鑑賞して参りました。

客入りはかなり良かったですね。客層に偏りもないし、サメ映画大人気だなあ。




まあ、そこそこ楽しめました。イギリスのサメ映画ということでそんなに潤沢な製作費があろうはずもなく、細部が色々とテキトーな気がするし、どことなく安っぽい雰囲気が漂っています。が、飛行機墜落シーンの迫力はかなり真に迫っていました。機体に開いた大穴へ乗客がドンドコ吸い込まれ放り出されていき、ゴミのように死んでいく。これは良い航空パニック。これだけでも劇場へ観に来た甲斐があったというものです。



ただ、そこが本作のピークだった感は否めない。確かに海底に沈んだ飛行機内にサメやタコが侵入してくるのも非常においしいシチュエーションではあります。が、いくらでかい穴が空いたとはいえ飛行機の中に入れるサメはそんなに大きくはない。ごく普通のイタチザメか何かです。さらに言うなら、そんなに出番も多くはない。あくまで主役ではなく、数ある障害のひとつという存在感に留まっています。どちらかと言えば、斜面で停止した旅客機が軋みを上げながら徐々に崖へ近づいていく描写の方が怖い。



エア・ロックとやらが非常に狭いので、そんなに派手な動きは出来ず人間ドラマ中心になりがち。とはいうものの、主人公の「州知事の娘」設定はほぼ活用されず、仲間たちの雑な死に方などもあってドラマ的に色々ともったいない感。そんな中、おばあちゃんと孫はいい存在感でしたね。あのおばあちゃんが「従軍経験があるのよ」と言い出した時は第二次世界大戦かな?いやフォークランド紛争かな?とか一瞬思ってしまいましたが、まさかのイラク。イラク戦争ってそんな前だったっけ…。



というか、イギリス映画って純アメリカ製のように擬態して作ってることが多いような気がするんですが、なんでなんでしょうね。これも登場人物は大体みんなアメリカ人設定だし…イギリスの旅客機がカスピ海に墜落してチョウザメに襲われる映画じゃあダメなんでしょうか。まあそれはダメか。



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