概要
原題:Darkest Day
製作:2015年イギリス
配信:Left Films
監督:Daniel RIckard
出演:Samantha Boulter, Chris Wandell
ビーチで目覚めたダンは記憶を失っていた。彼はウイルスによって人々がゾンビ化し、荒廃した街を目の当たりにする。そんな中、ひそかに生き延びていた若者グループの仲間にいれてもらうことに。だが、ダンはどういうわけか軍隊に命を狙われていた。
予告編
感想
アマプラのカタコト棒読みクソツ吹き替えの謎映画シリーズ、笑撃の第二弾。(200円)
あんなふざけた吹き替えは「混沌」だけで終わるかと思いきや、大して間を置かずに新作が供給されてしまいました。もしかしてこれが定番化していくのでしょうか。
今回も字幕はなく、強制吹き替え一択です。
よほどこの吹き替えに自信を持っているのか?
機械音声には聞こえないセリフが多々あるんだよな…
映画自体は2015年製でかなり低予算臭ただよう自主製作映画です。内容も特にこれといって目新しいものは何もなく、とてもストレートでありがちなゾンビ映画となっています。「混沌」と比べればまあマトモな部類と言えるでしょう。
しかし、吹き替えのインパクトは部分的には「混沌」を上回るクオリティ。主人公ダンはあまりしゃべらないのでどうでもいいんですが、彼が加わる若者グループのリーダー”サム”がすごい。ちなみに予告編サムネの右の男性がそうです。もしかしてサムの方が主人公扱いなのか。
彼はいかにも粗暴で鋭い雰囲気を持つタンクトップの青年なんですが、そんな見た目のイメージに反して非常に幼いわんぱく小僧…の精神を持ったオッサンのような甲高いボイスでハイテンションかつ女性言葉混じりでしゃべってくれるのです。この違和感はとてつもなく強烈で、吹き出さずにはいられないレベル。
なんせ初登場の時から
仲間「食べ物だ」
サム「あに買ってきた!!??」
サム「リサーどうしたのベンは」
サム「リサどうしたの?何があったの?このクソ野郎は」
ですよ。
文字では分からないでしょうが、わんぱく小僧のような甲高いオッサン棒読みボイス。
頼れるボスのはずが、ママの買ってきたおやつを心待ちにしていたオッサンの声帯を持つ幼児にしか聞こえないという近年まれにみるワケのわからない珍場面に。真面目に観ていたらウイルスのせいで幼児退行を起こしたのかと疑いかねないところです。
リサ「サム、ベンがしんだ」
仲間「おいサム、ナツツをしまえ」
サム「歯がいたいー」
仲間「なぜ食べるんだ?」
サム「ナツツはキン肉をつけるんだ あなたにはわからないわ!!」
女の子1「オレのタバコはどこだ?」
女の子2「クソツ!」
サム「そんな言い方やめてよ」
サム「落ち着いてもがくのをやめたらホーしてあげる」
サムを始めとした男たちがなぜか女性言葉でしゃべる中、女性の方は野郎そのものの口調。ホーってなんだ。自動翻訳の男女指定を逆にしたとしか思えません。日本語って面倒くさいね。
相変わらずの「クソツ!」にも笑ってしまう。
「ナツツ」とかもじわじわ来る。
他に面白かったのは、サムが機嫌悪くしかめっ面をしている横で読書にいそしんでいる仲間との会話。あからさまに険悪なムードなのに楽し気な吹き替えボイスとテンションが違いすぎて笑いしか生まれない。
サム「いい本か?」
仲間「ああすごくいい」
サム「おん、すごくいい!!?本当にぃー!!??ホードか」
仲間「そうだよ」
こんな時に本なんか読んでんじゃねーよ的なピリピリした会話のはずなのに、めちゃめちゃその本に興味深々な子供みたいになってます。こんなの笑うわ。あとたびたび出てくる「ホー」とか「ホード」って何なんだ。
まあ、後半はそこまでハジケてないので良くも悪くもそれなりにフツーになってしまいますが、前半だけでも充分すごい。やたら珍作が多い今年のアマプラ謎映画の中でもひときわインパクトの強い作品でした。
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